3次元別館。

主に観劇の感想です。2.5舞台が多めでその他のミュージカルやストレートプレイも。

【観劇記録】9/23 『家庭教師ヒットマンREBORN!』the STAGE (リボステ)

 

・ネタバレ多少ありの感想

・原作とアニメは連載(放映)当時に履修済み

いつかは来るかもと思っていたリボーンの舞台化。発表された時は、驚きよりも「とうとう来たか」感が強かったです。連載当時めちゃくちゃハマってたとは言え、流石にほぼ話を忘れてたので、前日に黒曜編をコミックスで読み返してから臨んだ。

舞台は前半が1~7巻くらいまでの日常編、後半が8~10巻の黒曜編という構成になってました。日常編は駆け足感が強かったものの、ストーリーやキャラの関係性はわかりやすかった。

それにしたって、朝起きてリボーンに出会う→死ぬ気弾打たれて京子ちゃんに告白→獄寺が転校してくる→死ぬ気で消火活動→山本の飛び降り騒動→死ぬ気で助ける→ランボ登場、までが1日の出来事ってすさまじい。でもって次の日に良平先輩のボクシング部勧誘、ビアンキ登場でポイズンクッキング、イーピン登場、ハルがツナに惚れる、と……うん、怒涛過ぎる。

死ぬ気弾で復活*1とか、獄寺のスモーキン・ボム*2とかは、演出と映像の合わせ技で表現。死ぬ気で消火活動のとことか、フゥ太が追われている時に唐突にあからさまな桜クラ病用の桜のセットが出てくるとか「いや、それはどうなんだろう(苦笑)」な演出もあったにはあったけど、全体的には二次元の描写が再現されていた印象でした。

そして、日常編がひと段落したら何の前触れもなく突然黒曜編スタート。シュールかつのほほんとした日常から、いきなり良平がロードワーク中に襲われて骨折数か所の大怪我+前歯4本抜かれる*3、というハード展開に突入するので、原作未読だと面食らうんじゃないだろうか。まあ、原作も8巻から急に路線転換するんだけど。

黒曜編はほぼコミックス通りの展開で、こちらも「ん?」な部分がなくはなかったものの、余計なギャグやエピソードは入らず、きれいにまとまっていたように感じました。

 

以下、キャラ・シーンごた混ぜで思いついた順の雑感。

  • リボーンが本人過ぎた。アニメでリボーン役だった声優さんご本人が演じてるというのはとてつもなく大きい。それにしたって、声だけが表に出る演技と舞台の演技は同じではないのに、舞台上でも全く違和感がないというのはすごいんじゃないだろうか。パオパオ師匠とか、サッカーボールとか、コスプレ姿もかわいい。
  • ツナがイメージ通り。かわいい。ツッコミがいちいちマトモなのが却って笑いを誘う。死ぬ気モードのときに毎回パンツの柄が違うあたり、芸が細かい。
  • 獄寺は、ビジュアルが出た時には髪型に少々違和感が…とか思ってたけど、しっかり十代目命で時に暑苦しい獄寺君でした。ビアンキとのコンビが良い。
  • 並盛・ボンゴレ側の登場人物は概ね「どこかしら世間一般の常識からズレまくってるけど本人至ってマジメ」なところがあるんですが、どなたも良いバランスで演じられていました。ハルとかはやり過ぎるとただのイタい子になっちゃうと思うけど「思い込みと行動力はもはや変態の域。しかしかわいい」子だった。
  • オフィシャルのキャラ紹介にいなかったものの、初日の舞台写真にしれっと写ってたイーピン*4。思いっきりハゲヅラ被せてます!だったのは否めないんですが、仕草やしゃべり方がかわいかったのでいいや。
  • リボーンと弟への愛あふれるビアンキ、天然ヒロインな京子ちゃんも原作ママ。女性陣の満足度は総じて高かったです。
  • 雲雀は思ってたより出番少な目でした。日常編で出てくるのも最後の方。黒曜編も、原作でそうだからしかたないとは言え、それほど派手には戦わないし。出てきた時から群れるの嫌いオーラが漂ってた。戦うところをもっと見たかったな。
  • 良平先輩がとても良平先輩。
  • ランボが5歳児でした。サイズからして成人男性が演じてるとわかる。なのに台詞回しや動作があのウザかわいいランボさんそのもので、違和感ゼロって意味わかんない。でもって10年バズーカを撃った後*5、10年後ランボへの着替えがとても早い&こちらも違和感ログアウト。カテコでも1人だけくねくね動いてたり変顔したりやりたい放題の5歳児。素直に感嘆の拍手。
  • 黒曜組は総じてレベル高。骸、犬、ランチアはそれぞれ槍捌き、身軽なアクション、攻撃のキレが素晴らしかったし、柿ピーは立ち姿や動作、体温低そうなところがイメージぴったり、バーズの役割も兼ねてたM・Mは、それほど出番は多くないのに悪役全開でインパクト十分でした。
  • 個人的に骸はリボーンにおける、というか二次元で最推しキャラのひとりなので、配役が発表された時は正直戸惑いが大きかったです。役者さんの力量的には心配していなかったけれど、自分の中のイメージとの食い違いが結構大きくて。けれども、舞台での姿を見た時、このステージでの骸はこうなんだな、と素直に受け入れられました。槍を操る姿が華麗で格好良かった。
  • 犬や柿ピーの攻撃スタイルや骸の幻術は、映像表現との相性がいい。しかしランチアの鋼球はなんかあんまり強そうに見えなかったのが残念。それと骸の槍は、先端部分を短剣として使う場面があって、槍の形に戻すときに舞台上で役者さんが接合部分を回して固定しているところが(それぞれ別の人で2回とも)しっかり目についてしまい、ちょっと笑いそうになった……構造上仕方なかったんだろうし、安全第一なのはわかるんだけどさ。
  • 中盤とエンディングで歌う。ペダステみたいな感じで入るので特に違和感はなし。エンディングでは並盛+ボンゴレのメンツが合唱してる中、雲雀は一人だけ口閉じてる→後半くらいからごく小さく口を開けて歌ってた。でもって黒曜も後半から全員加わって、骸以外の4人は最初からしっかり歌ってる。けど、骸だけは口を閉じてて、途中から背を向けてしまう→最後に振り返った時は……口元がよく見えなかったので歌ってたかどうかは不明です……。

カテコの日替わり挨拶は雲雀と骸でした。雲雀の名前が挙がった時、客席から歓声が。今も人気高いんだな。確か「1日1日、噛み殺していきます」みたいな内容だった。そして骸を指名するときに、リボーンが右目を押さえて「クフフ……」って微笑したのがとてもかわいかったことは特筆しておきたい。骸の時は、しゃべってる最中に脇でランボがパンチするフリをしてたりとちょいちょいいじられており、しまいには「噛み殺しますよ」とのたまっておりました(笑)

*1:無論、原作に忠実にパンイチ

*2:アニメ版のハリケーン・ボムじゃなくてスモーキンでした

*3:元々ボクシングで折ってて差し歯、というオチはあるにせよ

*4:アンサンブルの女優さんが演じてた

*5:きみーはだーれだい、ぼくーはランボ、の例の歌あり

【観劇記録】 8/30 ミュージカル『マリーゴールド』(2回目)

 

初回観劇時の感想はこちら。

raimu-sakura.hatenablog.com

 

初回は2階席、2回目は1階席後方でした。

1階席だと歌の「圧」がより強く感じられて、サンシャイン劇場の舞台に収まりきらないんじゃないかと思わされてしまうほどの迫力がありました。演技面も含め、改めて実力のある方々が揃っていることを実感。

 

以下、TRUMPやLILIUMの内容に触れつつ容赦なくネタバレしているので注意!

 

※個人の妄想込み+二輪咲きを見ていない*1ので、間違っている箇所があるかもです

 

初回では書ききれなかった分や新たに気づいたこと、改めて思ったことなどをつらつらと。

  • アナベルの愛情がいびつになってしまったのは、自分の中のマイナスの感情を全て、娘への愛という形に転化していたからなのかも。吸血種との子どもを身籠ってしまった不安や恐怖(エリカほど明確に嫌悪してはいないにしても、漠然とした恐怖心くらいはあったと思う)、長年、大切な事を打ち明けてくれなかった恋人への不信感、ガーベラを産んでからの周りの蔑みや偏見、そういった全てが、愛を向ける対象であるはずのガーベラを家に閉じ込めたり、不老不死を願ってしまうような極端な形になってしまったんじゃないか、と考えると、更にやるせなさが加速した。エリカやコリウスヘンルーダに愛され慕われていることからも、すごく優しい人ではあるんだと思う。LILIUMではマリーゴールド(ガーベラ)が「母親からも忌み嫌われた」といったことを言っているけれど、実際はそうではなかった。その事を救いと見ることはできなくはないが……ううむ……。
  • ソフィがいろんな意味で怖い。ガーベラが暴走してしまった場面で、暗くて表情はよく見えなかったけど、ウルの肩を楽しげに叩いたり、ガーベラの方を指差して、愉快そうにしているんですよ……。TRUMPでのソフィは、少なくとも目の前の惨劇を面白がるような少年ではなかったから、2800年の間にどれだけのものを見てしまったんだろうか。あと、LILIUMでマリーゴールド(ガーベラ)はダンピールとして爪弾きにされているんだけれど、あのクランにいるダンピールは彼女だけじゃない*2んだよね。だとすると、ソフィは「ダンピールとして忌み嫌われる」子と、そうならない子を選別している?その理由が、ガーベラから投げつけられた例の言葉や、彼女と母親の絆を見せつけられた事に由来するのだとしたら、相当執念深いな……。それだけ特大の地雷だったし、自分と似ている、とシンパシーを覚えた彼女に拒絶された事が辛かったのかもだけどさ。なんてことを書きつつ、やっぱりソフィを憎む気にはなれなかったりもしている。
  • ガーベラ役の田村さんはLILIUMでマリーゴールドを演じていた時も歌唱力が飛び抜けていたけれど、今作では、当時ちょっと入りすぎていた力が程よく抜けていて、確実に成長されている感。若手だとコリウスも、正直、薄ミュ左之助篇の時はこれだけ歌える役者さんだと思ってなかったので、びっくりしました*3。今後が楽しみな役者さんが増えるのは嬉しいね!
  • それにしても難しそうな曲が多い……特にアナベルとエリカが思いをぶつけ合う『時は戻らない』は、メロディ+歌詞の乗せ方が素人耳にもえぐくて「ひえええ……」と心で唸ってしまったくらい。とは言え、お二人とも綺麗に、迫力たっぷりに歌われていて素晴らしかった。サントラ欲しい。
  • TRUMPシリーズ5作品の中でも、LILIUMとマリーゴールドは話がすっきりまとまっていて理解しやすかった。他の作品も好きだけど、エピソードが詰め込まれ過ぎて、初見ではついていくのに精一杯で全体を把握しきれなかったり*4、作品によっては少々散漫に感じられてしまったりしたのは否めない。LILIUMとマリーゴールドはミュージカルという表現形態なので、登場人物の心情や状況の描写の一部が歌になった分、台詞で表現する箇所がシンプルになって、わかりやすくなったのかも知れないです。
  • それでも観劇2回目でやっと、誰がどういう経緯でお亡くなりになったかを把握した……毎度のことだけど死者が多過ぎる!
  • シリーズでおなじみの「我は守護者なり*5」は敗北+死亡フラグで、今までこの言葉を発した人は守りたいものを守ることができず、更にほぼもれなく死んでいった*6んだけど、「自分は死ぬけれど、守ることはできた」のは、多分アナベルが初めてだよね。それにしても、「守る」ということを誰かが口にするたびに息苦しくて仕方なかった。各々の「守る」というエゴイスティックかつ強い感情が衝突し合って、最終的にあのラストになったと思うと、しんどい……。初回では「我守護」の歌の辺りでこらえきれなくなって何度か泣いてたけど、今回はカテコの時に涙があふれて止まらなくなった。

 

全然まとまってないけど取り敢えずはこのくらいで。7月末に刀ステ悲伝が終わってから、ロス状態に陥る間もなくシリーズ旧作の配信があり、グランギニョルの円盤も見返したりして迎えたマリーゴールド。マイ楽の後も気が付くとTwitterで感想を漁ったり、通勤時にLILIUMのサントラを流しまくったり、今後もいくつかとイベントがあるようなので、しばらく、繭期は継続しそうです。

*1:配信もしくは再販しないかな

*2:作品中で明言はされてないけど、脚本家の発言などから

*3:悲伝のマグロミュージカルを聴いてたので、心配はしてなかったけど

*4:刀ステの、特に義伝、悲伝でもそれは感じた

*5:略して「我守護」という事をちょっと前に教えていただいた

*6:死ななかったのはゲルハルトくらい?

【観劇記録】 8/26 ミュージカル『マリーゴールド』

 

  • 大きめのネタバレは背景と同色の字にするなどしますが、これから観劇予定の方は読まずにスルーすることを強く推奨
  • 観劇する方は事前にバージョンは問わないのでTRUMPと、LILIUMを見ておく事を強く強く推奨いたします(特にLILIUM)

 

 

《ネタバレほぼなしの感想》

「圧倒的美」と銘打たれているだけあり、今回も衣装をはじめとするビジュアルがため息ものの美しさでした。グランギニョルがややパンク要素も取り入れたゴシックスタイルなら、マリーゴールドはクラシックでエレガント。ガーベラなど一部の登場人物の衣装はクラシカルロリータっぽくもあり、かつてゴシック寄りのロリータファッションにハマっていた事もあったりする自分の嗜好にまたしてもクリティカルヒットでした*1。開演前に入手してたパンフレットに加え、終演後、2Lのコンビネーションブロマイドも全種類買っちゃったよ。中身を含めたパンフレット全体のデザインも、封印部分も込みでとても綺麗です*2

歌はどの方も聴かせてくれました。台詞からの繋ぎも違和感なし。個人的には特にエリカ、ヘンルーダの歌がすごく良かったのと、ガーベラの歌声が好き。アンサンブルの方々も、歌唱にダンスに縦横無尽に活躍されており、ミュージカル好きとしても満足。

 

 

《以下、繭期をこじらせた感のあるネタバレ含む感想》

 

TRUMP(Dステ版Truth・配信)→グランギニョル(劇場)→LILIUM(円盤)→TRUMP(Dステ版Reverth・配信)→SPECTER(配信)の順で見て*3、通勤中のBGMをLILIUMのサントラにしたりしつつ臨みました。開幕して2日目だったので、なるべくネタバレは見ないようにしていたんですが、観劇前にサンシャインシティで遅めの昼食をとってたら、近くのテーブルの2か所くらいから「繭期」「ウル(ソフィだったかも)」「すえみっさん」とか聞こえてきて焦った焦った……。

マリーゴールドは割とストレートに「LILIUMの前日譚」でした。初っ端からとある名前が出てくるので、おそらくあの辺の話だろうな、とすぐにわかる。冒頭は楽しいナンバーが続いて多少は明るさがあるんだけど、TRUMPシリーズだし、何と言っても「あの」マリーゴールドの名前がタイトルな訳ですよ。

感じ方は様々と思いますが、シリーズの中でも一番苦しくて、哀しいお話でした(って書いてるうちから泣きそう)。主要なキャラクターのほとんどが多かれ少なかれ苦しみや深い哀しみを抱えていて、それぞれが大切な存在を守ろうとした故に起こった悲劇、というところかな。登場人物の何人もが「誰々を守ろうとした」「誰々は自分が守る」という内容を口にするんですが、ことごとく裏目に出てしまう。LILIUMを先に見ていると結末の予想はつくけれども、誰もが自分勝手で愚かしく、同時に哀し過ぎて、何度も泣きそうになったりこらえきれずに涙した。

 

登場人物ごとの雑感。

  • 出演者が発表された時、一番びっくりしたのがアナベル役の壮さん。宝塚在団中に何度か舞台を観ていたものの、退団後の舞台は今回が初めてだったんですが、娘や妹に、時に重苦しくありながらも深い愛情を注ぐ女性を見事に演じられておりました。歪んでしまってはいるけれど、こんなにも娘を愛している人が、LILIUMで触れられていたような事を言うとは思い難い、と考えてたらそう来ましたか……あぁぁ。しかしアナベルは、エリカにはもうちょっと早くガーベラの出生にまつわるあれこれを話しといてもよかったんじゃないかな……。
  • 母親からは十分すぎるほど愛されていても、生まれた時から屋敷に閉じ込められ、叔母のエリカには疎まれ、外の人間たちから「窓際の化け物」呼ばわりされる*4ガーベラ。終始うつむき加減で姿勢も悪く、暗い言葉ばかり口にする彼女が、初めて外の世界を見せられた時の目の輝きに涙が出そうになった。けれども幸せに近づいたと思ったのはほんの一瞬で、それからは惨い事態の連続で辛かった。ラストシーンの後、彼女がどういう運命をたどるのかがわかっているだけに、ますますやるせない。力強い歌声に圧倒されるばかりでした。
  • そこはかとなくきもちわるさの漂う登場人物紹介とおかっぱ頭に丸眼鏡のビジュアルに、あの東さんがこの役ってマジかーめっちゃ楽しみ、と、わくわくしてたコリウス。彼は良くも悪くも「普通」の青年でした。途中、ちょっと危うい感じになるんだけど、最後の方は素直に格好良かった。キモそうとかのたまっててごめん。いろいろと重い登場人物陣の中では、唯一の良心的存在……はさすがに言い過ぎか?刀ステなどアクションの多い2.5次元舞台への出演経験が豊富なだけあって、ダンスや立ち回りが華麗。
  • エリカはとても気の毒な人だった。母親代わりでもあった姉にいきなり遠ざけられたら、そりゃ原因となったガーベラを簡単には愛せないだろうし、それでもがんばって歩み寄ろうとしている姿が痛々しかったです。めちゃくちゃ難しそうな歌を綺麗に歌い上げておられた。濃いピンク色のドレスがとても似合っており、アナベルと並ぶとそれはそれは美しい姉妹でした。宝塚を退団したトップコンビが他の舞台で共演することはとても珍しいので、その意味でも感慨深い。
  • ソフィはやはりあのソフィで、と言うことはウルは……そうだったのか……。LILIUMでは「てめぇ何て事してくれやがるんだぁぁぁ(怒泣)」だったけど、今回はより心情が掘り下げられており、怒る気持ちは湧いてこなかった。ガーベラへの仕打ちは残酷極まりないものだけど、彼女、というか彼女たち母娘は、今のソフィがどんなに渇望しても得ることのできないものを持っていて、それを見せつけられて苦悩し、絶望する様子が哀しかったです。序盤は明るい少年なのに、正体が明らかになるにつれて妖しさが漂ってきてゾクゾクした。踊っているかのような身体の動かし方が、人外じみた様子に拍車をかけていたのも良かったです。
  • 悪役だと思っていたベンジャミンもまた辛い過去を抱えており……この作品、辛い人(と吸血種とダンピール)が多過ぎるよ!
  • ヘンルーダは、某フランス革命のミュージカルで「私は神だ〜」とか宣ってた某王弟*5と同じ役者さんが演じてるなんて信じられないくらい、気弱だけれど優しいおじ様でした。歌も素晴らしい。けどさぁ……そういう事はもっと早く打ち明けとけよおぉぉぉ!!そうできない事情があったのはわかるけど、打ち明けられさえしていれば、こんなどうしようもない事態にはならなかったのかも、と想像せずにはいられない……。
  • コリウスが務めるケリトン出版社の編集長・クロッカスと編集部の社員の場面が賑やかで楽しい。特に赤いお下げ髪のポーチュラカがかわいかった。まあ最終的には……だけどもさ……。
  • まさかあの子たちがガチで出てくるとは。特に後半で正体が明らかになるあの子は……切ない。

 

歌について補足。アナベルコリウスの「口外無用!」、ヘンルーダがガーベラに歌いかける「花には言葉がある」、「ケリトン出版社」は良い意味でミュージカル感があって楽しかったです。まあ当然、明るめのナンバーは序盤だけなんですが。BGMにはこれまでのTRUMPシリーズでお馴染みの曲に加え、LILIUMの歌がインストゥルメンタルで使われてもいるので、繭期がますます深刻化します(ソース:自分)。

Twitter上で「グランギニョルよりグランギニョル」という感想を見かけて深く頷きまくったほど、誰も救われないし、皆勝手すぎるとすら思う。けれども同時に誰の事も憎むことができなくて、そういう意味では確かに「愛」の物語なのかも知れません。

*1:ポスターを見た宝塚ファンの母曰く『球体関節人形の世界みたい』との事

*2:シリーズの他の作品のものも含むネタバレだらけなので、未見の話がある場合は要注意

*3:後の2つは8月の始めにあった「はじめての繭期」にて

*4:自分がそう呼ばれていることを知っているのは、家の中で誰かが話しているのを聞いたんだろうか

*5:大好きだけどね!

【観劇記録】7/20 舞台『刀剣乱舞』悲伝 結いの目の不如帰(刀ステ)

 

  • 致命的なネタバレは避けるか文字色を薄くしつつ多少バレありの感想
  • 台詞、シーンはすべてうろ覚えなので記憶違いがあるかも知れない
  • 「美しい」「綺麗」ばっかり(語彙はおおかた墓に入った模様)
     

注意:劇場もしくはライビュ等で観劇予定の方は、一切ネタバレ無しで観劇されることをお勧めします(のでこのエントリーも回避推奨)

 

初日ライブビューイングから1か月半強、待ちに待ちに待った青年館でした。

ライビュの感想はこちら(↓)。

【観劇記録】6/2 舞台『刀剣乱舞』悲伝 結いの目の不如帰(刀ステ・ライビュ) - 3次元別館。

初見では情報量の多さと衝撃の連続でいっぱいいっぱいになってしまって何が何やら、だったんですが、リアルで観劇して第一に思ったことは、

刀ステって、美しいよね…… 

でした。今まで刀ステで泣いたことは映像含めて一度もなかったのに、あまりに綺麗で涙が出た場面(後述)もあった。

 

《以下、いつも以上にまとまりなし、時系列もバラバラの感想》

2階席最前列のセンターブロックだったので、全体を見渡すことができました。有名?な乗り越え防止のバーは、最前列ではそれほど気にならなかった*1。邪魔っちゃ邪魔だけど、前の人の頭で遮られるよりは遥かにマシ。

 

本題に戻ります。まず、照明が良い。機材自体がおそらく優れてるのもあるし、何と言っても演出・照明の技術の賜物なんだろうな。席の位置の関係か、舞台奥の照明が時々まぶしかったけど笑 ライビュではぼんやりしていたスクリーンの映像も綺麗に見えました。

OPで刀剣男士が全員出てくるところも、特に12振り全員が揃う後半パートでの衣装やウィッグの鮮やかな色合い、ひらひらと翻る袖や裾が美しくて、ここで既に「観に来られてよかったー!!」って表情筋緩みまくってた。てか目が足りない。

でもやはり、刀剣男士は戦ってる時が一番美しい!と、1幕後半の本丸襲撃の時に強く感じました。刀ステは、ストーリー自体の面白さもさることながら、毎回殺陣が素晴らしい。下半身が全くぶれない三日月の殺陣や、舞うように軽快な山姥切の殺陣、鶴丸はくるくる回る動きが綺麗だし、小烏丸は鳥のような足運びがどこかこの世ならざる者じみてた。光忠や歌仙のそれからは余裕と力強さが漂い、長谷部は好戦的、不動や骨喰はフットワークが軽く、大包平は勢いがあって、大般若や鶯丸は華麗。見た目に映えるというだけでなく、刀の付喪神、ということを明確に活かした見せ場なんだなー、という事を今更ながら認識。

 

初日から変更されてた部分もちょいちょいあった。

・長谷部が修行先で食べるのがおにぎり→おはぎ。差し出された瞬間、眉間にしわ寄せる長谷部。「おはぎに何か嫌な思い出でも?」と問われておった(会場爆笑)

光忠のマグロミュージカルの歌がマグロはヘルシ~♪みたいなのに。新曲?そして光忠に寄ってこられた歌仙が後ずさる時、草履が片方脱げちゃってた……

・三日月が食べちゃったのは、山姥切が名前を書いておいた羊羹→名前を刻んでおいた大福になってた。でもって軍議の時に三日月が懐から大福を出して「(山)いつからそこに入れてたんだ?!」「(三)(考えつつ)いつからかな……」「(山)食えるか!」ってやり取りの後、まんばちゃんの隣にいた歌仙がなぜかその大福を手に取って懐に入れてしまい、まんばちゃんに、食うのか?と突っ込まれてた(食べるの?)

鶴丸の馬当番のところは「(鶴)(小烏丸の台詞を受けて、刀身が)まっすぐだと馬が人参と間違えてしまうからな」「(山)本当か?」「(鶴)嘘だ」でした。ここは日替わりかな?その後で歌仙が自分の刀を抜いて検分してて、なんでかなーと思ってたんだけど、あれは自分の刀身がどうなってるのか気にしてたのか(ほほえましい)

・エピローグで大包平が「童子切はどこだ?!」って探し回りつつ鶯丸と一緒にはけた後の、不動の「元気いっぱいだな」みたいなコメントは初日もあったっけ?

・同じくエピローグの歌仙VSチーム伊達で手合わせしようか!ってところで、小夜ちゃんも誘おう、と言う光忠に「お小夜は僕を選ぶだろうよ!」と叫ぶ歌仙

自分で気づいたのはこのくらい。歌仙さんかわいいじゃないか。

あとは事前にTwitterで見た、三日月のラストの山姥切への呼びかけに、虚伝で印象的だった「煤けた太陽よ」が追加されてた、っていうところ。

それから、この回のログボは光忠でした。かっこよく決めたいよね!

 

今回初めて気づいた点も多々。鵺(仮)が名前を与えられる前、「刀」という単語を発そうとするといつも言葉に詰まってしまう*2とか、伊達組と織田組の安定感とか、骨喰に「何度この歴史を繰り返しているんだ」と尋ねられた時の三日月の虚無をたたえた目とか*3。初見ではストーリーに対する不完全燃焼感が強く、今回は全くそれがないと言うと嘘になるんだけれど、それ以上に一つ一つの場面や刀たちのあり方に注目してしまっていた。やっとリアルで観ることができた!という嬉しさが強かったのかな。

特にそう思ったのは2幕。冒頭近く、共に極姿の不動と長谷部の戦闘シーンで、不意に「虚伝からこの舞台をリアルタイムで観ることができて良かったな」という気持ちになりまして。初演ライビュで刀ステを知って、再演以降はありがたい事にすべて*4劇場で観劇できているんですが、もし自分がそれらの存在を知らない、もしくは知っていてスルーしていたら、何かの拍子で途中から見た時にめちゃくちゃ後悔しただろうな、と。

展開を知った上で改めて観ると、2幕はどの場面も良かった。

鵺が足利義輝に名前を与えられるところがすごく好きで、あの瞬間は彼らを応援したい衝動に駆られるんだけれど、直後に古備前コンビと鶴丸が正面に現れて、オープニングテーマと同じ旋律のBGM(だったと思う……自信ない)で対時間遡行軍の殺陣が始まると、ああわかってる、この舞台の主役は刀剣男士だよね格好いいな畜生!って魅入られてしまう。大包平が、顕現の時の「(略)もっとも美しい剣の一つ。ただ……」と名乗りを挙げた後、敵をぶった斬りながら「美しいだけの刀じゃない!」って続けるのとか、鶯丸が敵薙刀を壁に追いつめて斬った後で「まあ、細かい事は気にするな」って、言うのも痺れる。黒甲冑と対峙した時の鶴丸光忠はレベル80は軽く超えてたし、歌仙は相変わらずの武闘派文系だし、小烏丸の飄々とした動きと発される言葉の重さは役者さんの上手さに舌を巻くしかないし、骨喰がかつての主の介錯をつとめる場面は辛くて、隣に大般若(@シルエットも声の調子もそのまんま)がいてくれてよかった……。

そして、クライマックス近く。殺陣がスローモーションで展開される場面でその美しさをただただ凝視しつつ、最後に真剣必殺の姿で山姥切が現れた時。最初のうちは、敵を斬る動きがBGMと合ってて綺麗だなー、って普通に見とれてたんだけど、階段を上り始めたあたりからあまりに綺麗過ぎて涙出た……。なんて美しいもの見せ続けてくれるんだよもうほんとに!

三日月に他の刀たちが斬りかかって、結局誰も敵わないところも、哀しいよりも桁違いの強さが圧巻で唸ってた。山姥切との対決も、殺陣の美しさが見事だった。

エンディングに至るまで何もかもが美しく、めいっぱいの拍手を止めたくなくて、終了のアナウンスがあるまで腕が痛くなっても拍手し続けてました。

 

考察の類はほぼしない(できない)タイプなので、他の方の考察を読んでほえー、と感心しているばかりなのですが、思ったことをメモしてみる。

  • 三日月が鵺(仮)を倒さずにいたのは、彼が「歴史を改変することなく、三日月が円環を抜け出す(おそらくそれが三日月の望み)」キーパーソンになると踏んだ、あるいはなりうることがわかっていたからじゃないかな?
  • もしくは、鵺や、それに近い存在が生まれた時に斬ってしまった結果、三日月や本丸にとって悪い事態を招いたことがあった、とか
  • 黒甲冑が「歴史を改変したその先」ということを言ってたのが気になる。伊達政宗に天下を取らせる、ってことだけを指したのではなさそう?

 

初日のTDCの物販でトレブロが品切れだったので、明治座の公演期間中に行った物販で5枚ほど入手してたにもかかわらず、トレブロは1公演につき3枚まで!の禁をまたもあっさり破って終演後に追いトレブロ×5した*5。今回のは通称・寝姿のが好き*6。で、三日月、鶴丸、鶯丸の背景あり内番のが手元にあるんだけど、3枚とも茶を飲んでるか羊羹食べてるから、この面子で茶請けの羊羹と共に茶をしばく日もあったんだろうな、などと妄想してますます切なくなる……。それにしてもシークレット系のグッズでまんばちゃんが来てくれたことが、ゲーム、アニメを含めておそらく一度もない件について。

 

テレ東の密着ドキュメンタリーも3話まで見ました。非常に内容が充実してるので、円盤化とかするよね?関東ローカルで一回きりの放映ではあまりにもったいない!

これまでの公演の円盤を持ってるのにバクステ映像は見ずじまいなので(すみません……)、稽古中の役者さんたちの姿が興味深い。衣装と似た風に布を纏ってる人はわかるとして、突っ込みどころしかないようなTシャツ着てる人もいたりする(どこの光忠大包平とはいわない)。先輩からの厳しくも暖かいアドバイスの最中に、後ろに「稽古着」とでかでかと書かれたTシャツ着てる人が映ってて、もう笑うしかない視聴者。役者やスタッフが、個々の印象を稽古場から離れた場所で語っているのも新鮮だった。

役者、演出家だけでなく、アクション監督や衣装担当などのスタッフの声も取り上げられているし、明治座での場当たりやゲネプロ、楽屋の様子までちらっと映ってる。それでいて、明確なネタバレになる画はさりげなく除いているという心憎さ。開幕前の舞台袖の三日月と不動のやりとりが微笑ましかったのと、どこかのシーンの後、袖に引っ込んでからも涙が止まらず、暗がりで鼻をすすっていたばみちゃんの姿が印象的でした。

*1:当方身長160センチ弱

*2:あああ……

*3:オペラグラスでガン見

*4:小田原公演はライブ配信

*5:勢い余って2Lの全員セットも初めて購入したが個人セット全員分でも良かったかもなんて考えてないですちょっとしか

*6:三日月、歌仙、大包平のが来た

【観劇記録】7/13 ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン 全国大会 青学vs氷帝

 

  • テニミュ初観劇の感想
  • ネタバレは(多分)そんなになし

 

いつかは観たいと思っていたテニミュ。気がついた時には前売りチケットが終了してしまってたんですが、テニミュは毎回当日券がある、ということを聞いていたので、会場に並んで2バル上手側の見切席をゲット。前売りが完売していても、当日券が十分に用意されているのはありがたいね。

テニプリは、コミックスもアニメもちゃんと見たことがなく*1、青学メンバーの顔と名前はハマっていた友人から聞いたりしてたから大体わかってるものの、氷帝跡部樺地くらいしか顔と名前が一致しておらず、比嘉に関しては沖縄の中学だっけ?程度の知識でした。

そんな状態、かつテニスのルールがよくわかっていなくても、ストーリーの把握については特に問題なし。まあ、タイトルに全国大会で青学vs氷帝って書いてあるし。

テニミュ自体も映像ですらほとんど観たことがなかったので、すべてが新鮮でした。まず、歌とダンスが良い!聞いているだけで楽しくなってくるような曲ばかり。ダンスも格好良かったです。歌唱力は、ソロパートはピンキリなのは否めないですが、チームごとに揃って歌うところは迫力があった。

試合のシーンは、一度にコートの中に入るのが2人もしくは4人だし、技も基本はテニスラケットを振る、という動作なので、多人数が勝負の場に存在できるペダステやハイステに比べるとどうしても地味に見えてはしまう。けれども、舞台上のネットの場所を場面が変わるごとに斜めや横向き、縦向きに配置したり、途中で歌を入れたりと様々な演出上の工夫がこらされて単調にはなっていなかったし、光と音で表現されるボールの軌跡と打球の音もきれいだった。

ただ。前述のとおり見切席だったので、舞台の上手奥、全体の4~5分の1くらいが隠れてしまい、1幕では青学の、2幕では氷帝側のベンチが全く見えないという状況でした。その位置だと誰がしゃべったり歌ってるかわかんないからもうちょっと前来て、前!と何度か心で祈ったりね……。上手側の前の方はむしろ近かったし、アリーナの客席降りはよく見えたけどさっ……。

演者個人では、跡部の歌唱力が際立ってました(もっと声量があれば更に良いけれど、あの運動量なら仕方ないよなあ、とも)。確か氷帝の方に来年レミゼに出る人がいるんだよね、誰役だったかな?と、休憩時間にチラシで確認したら案の定そうだった。納得。2幕冒頭のソロのダンスもバレエの要素を取り入れていて綺麗。氷帝では日吉*2の歌と向日のアクロバットも良かったです。それから樺地の声が大きくよく通ってた。

青学は、リョーマ以外は新メンバーということで、少々チーム全体がばらついている印象を受けましたが、まだ公演が始まってから2日なので、日が進んでくるにつれて変わってくるかな。リョーマは9代目からの続投ということで、コートに出てきた時やチーム全員で歌うところなど、目を引く存在感があった。新メンバーでは、手塚部長のフォームが特に美しかったな。菊丸の身軽な動きも楽しい。

今回ゲスト校という位置づけだった比嘉のメンバーは、前の公演からの続投、かつそれほど日が経っていないこともあって、3チームの中では一番まとまりがあったように感じました。このチームの試合も見てみたかったかも。

若手俳優の登竜門」と言われることの多い舞台で、全体的には、良くも悪くもフレッシュだなー、という感想ではあります。それでもきちっとエンタテインメントとして見せてくれたし、ラストの、チームごとの歌→全員揃って歌うところでは、自然と笑顔になってしまっていた。終演後にはどういう人たちなのかな、ということに興味がわいて、パンフレットも購入*3。15年も続いている理由がちょっとわかった気がする。

そして、次は見切れない席で観たい!

*1:コミックスを大昔に1巻だけ読んだような…くらい

*2:生執事のエドワード役の人だった

*3:映像方面に興味のある人が多そうな中、帝劇に出たい、と言ってる人がいると嬉しくなる舞台ファン

【観劇記録(映像)】LILIUM-リリウム 少女純潔歌劇-

 

  • TRUMP(D2版)を配信で視聴、グランギニョルは劇場で観劇した、繭期初心者?の感想です(考察の類は全くナシのただの感想)
  • 致命的なネタバレは避けるか薄い色で書きますがTRUMP、グランギニョルも含めちょいちょいバレあり

 

まず、これから見ようかなーと思っている方へ。TRUMP未見であれば、バージョンは問わないので見ておくことを強く強くお勧めします。

 

8月の「マリーゴールド」の予習がてら円盤をゲット。

最初のうちは「登場人物の関係性はTRUMPと通じるところがあるから、女子版ってところだろうか。衣装良いな、リリーかわいいなー、ファルスとキャメリアは男子なのかーかわいいなー、シルベチカの歌いいなー」とか、割と微笑ましい気持ちでいたんです……が……。

見終わった後のツイートがこちら。

 

※ちなみにこの時、リアルに叫んでました

 

TRUMPのライネス*1グランギニョルのそれも大概だったけど、けど……

これ、断トツで酷くない???

しかもそれで終わるのかと思ってたら更にラストでダメ押しとばかりに突き落とされるという……うわあああああああ……

て言うか○○○てめええええええええええ!!!!

 

以下、もうちょっとマトモな感想。

実年齢のかなり若い人たち(全員10代かな?)が中心ということで、全体的に台詞回しが多少つたなく聞こえるところはある。上手い人もいるけれど、ちょっと棒読みに感じられてしまう人もいたし、ダンス以外の場面で動きがぎくしゃくして見えたことも。ただ、歌で心情を現す場面については(純粋な技術面での差は多少あれど)、ソロ、合唱とも皆さん聴かせてくれて、まだ若くてもプロの歌手なんだなー、ということを実感しました。

歌、演技とも頭一つ抜きんでていたのがマリーゴールド。吸血種と人間の混血として忌み嫌われている、という役どころ*2で、特にソロの曲では、まだ当時10代半ばというのが信じられないくらい声量も歌唱力も申し分なく、ちょっと泣きそうになってしまったくらい。夏の舞台も今から楽しみです。しかし、ソフィやマリーゴールドを見てると、某ポジティブダンピール師匠はどうしてあんなに心身ともに健やかなのかむしろ不思議だよ!

マリーゴールドとは別のベクトルでファルスにも惹きつけられた。歌とお芝居自体は及第点くらいなんだけれど、出てくるだけで自然と視線がそちらに向かってしまうくらい、華と存在感がありました。少年だということを見るまで知らなかったので、「えっ、初美花ちゃん*3、男役なのかー」と、びっくりした。

主人公のリリーと、鍵になる人物の一人、スノウも、美しさと、そこはかとなく漂う影がリアルに少女漫画(敢えて例えるならflowers系?)のようでした。

その他にも若干血の気の多いチェリーや退屈持て余して暴走気味のカトレア(退屈過ぎて涅槃像ー)、ミステリアスなシルベチカ、もう一人の少年であるキャメリア(実際はクラン内に男子は二人だけじゃなくもっといるらしい)、取り巻きに囲まれてアンジェリコを彷彿とさせるマーガレット、真相を知ってからどんな気持ちでいたのか気にならずにいられない監督生コンビなどなど、TRUMPやグランギニョル同様、登場人物が皆魅力的で。

 

だからあの結末はさあ……!!(血涙) 

 

事前にうっすらネタバレを見てしまってはいたんですが、あの子が直球で「彼」だったのか……*4。 

 

てめええええなんて事してくれやがるんだ!!!!!

寂しかったのはわかる、わかるけど……ぁぁぁぁぁぁぁぁ……

 

あ、衣装は白メインで黒も使ったゴシックロリータ風、というのがまた素晴らしいよね。

※感想の情緒が不安定気味なのは多分繭期をこじらせたせいです

 

話は少し逸れますが、グランギニョルのオープニングテーマの「回旋するトラジェディ」、iTunesで配信されてたの知らなかった。早速ダウンロードしてポーの一族@宝塚のライブ音源と交互にエンドレスリピートしまくっておりますふふふふ……。

そしてLILIUMのDVDにはサントラCD(まだ聴けてないけど)まで付いててお得感満載。

 

刀ステ好きだけどTRUMPはどんななんだろう?という方。

宝石の国まどマギ黒執事(特にサーカス編)などがハマった方。

エリザベートフランケンシュタインなど、ゴシック感漂うミュージカルがどストライクな方ももしかしたらイケるかも?

まずはニコニコのD-BOYSのチャンネルでD2版TRUMPの配信(月額324円※2018年6月現在)があるので、そちらからいかがでしょうか。そこここに散りばめられたギャグに吹き出しつつ、イニシアチブの設定などに突っ込みながらも世界観に引き込まれ、ライネスで呻きまくって、見終わった後に登場する人物や吸血種たちのことが頭から離れなくなったら、あなたはもうきっと繭期。 

 

 

*1:うわああああやらかしやがったな……!なシーンで流れる曲。グランギニョルのプロモ映像のBGMにも使われてる

*2:キキがオズに予見されていた印象では、他の子たちと一緒に楽しそうにしていると思ってたので意外だった

*3:ルパパトの。特撮は滅多に見ないんですが、怪盗チームと警察チームがどっちも甲乙つけがたいくらい微笑ましくてだね……

*4:なぜかリリーが○○○だと思ってた…まあ、そんなに間違ってもない、か……?

【観劇記録】6/16 ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」"はじまりの巨人"(ハイステ)

 

  • ハイステ初見者の感想です
  • 多少ネタバレあり

 

職場のストレスが極限まで溜まっているのに今月分の観劇チケットは0枚、何か土日に行ける舞台は……と金曜日の時点で探して、そう言えば最近身の回りで立て続けに名前を聞いたハイステ、今やってるんだよなーと思い立ち、チケットを確保後急遽TDCへ。

ハイキュー!!の原作は夏合宿の後あたりまで読んでて、烏野と音駒、青葉城西と伊達工業くらいまでは何となくわかるんだけど今回舞台化されてる話は未読、という状態。

ハイステ自体は全くの初見だったんですが、すっごく面白かった!!

 

告知ムービーとかで多少見てはいたものの、漫画のコマを模した背景にコマ割りみたいに映像やセリフが映し出されるだけでなく、時には床にも文字が投影されたり、斜めに傾いた状態の盆が回ったり、ワイヤーで役者が宙に浮かび上がったりと、音響、照明、人力も駆使しまくりのダイナミックな演出は、生で観ると想像以上でした。

役者のパフォーマンスも素晴らしく、選手全員が高いジャンプを次々に決めたり、ダンスのようなフォーメーションで動いたり、チームによっては6人全員がバク宙やらアクロバティックな動きをガンガン披露しまくったりと、この人たちの身体能力どーなってんの……と唖然としてしまう。

開演のアナウンスから「ただ今より試合を開始いたします」というようなものになっていたり、2幕開始時には客席を巻き込んで相手高校*1と烏野の応援が繰り広げられたりと、試合を見に来たような気分で楽しかったです。

試合のシーンも、1幕の「コートは"アソビバ"」という条善寺はアクロバット満載の見た目に楽しい場面が多く盛り込まれ、2幕の和久谷南はそれよりは統制が取れていてスタイリッシュ、かつ、小さな巨人対決ということで、日向と中島がワイヤーで宙に浮くなど、チームや対決ごとに異なる演出がされていて、全く飽きさせられない。日向が「スパイダーマンですから」って、歌舞伎の土蜘みたいに白い糸を飛ばしてたのは1幕だったかな?試合終了時の両チームが向かい合っての「ありがとうございました」の挨拶と、その後に負けたチームのメンバーが一列に並んで挨拶するところも良かった。

役者さんについては、日向役の須賀さんを髑髏城上弦の月のライビュと、東峰役の冨森さんを帝一の舞台で観たことがある、くらいだったんですが、上記のように皆さん身体能力が凄まじ過ぎてポカーン( ゚д゚)となっておりました…。ツッキー、縁下さん、コーチ、クロ、冴子さんあたりは二次元過ぎた。仁花ちゃんもかわいかったな。

あと、この日は音駒の二人が公演150回目ということで、15分休憩に入るところで背番号の「1」「5」を示した後ろにゼロが足されていたり*2、カテコの挨拶で縁下役の方が「役者をやめようかと思っていた時にこの役と出会えた」ということを仰ってたりと、初見の身で言うのもなんですが、感慨を覚えるものがありました。

 

布の量多め、見た目にきらびやかで華やか、かつ中二成分満載な作品が好きなので、運動部が舞台の作品は映像含めてもペダステくらいしか観たことがなかったんだけど、食わず嫌い(いや、嫌いってことはないんだけど)はほんともったいないね……。この期にそろそろテニミュデビューも果たしてしまおうか、などとぼんやり考えたりもする。

 

*1:わくなん、わくなん、わくわくなん(手拍子)

*2:何故150?と思ったけど後でTwitterで知った