3次元別館。

主に観劇の感想です。2.5舞台が多めでその他のミュージカルやストレートプレイも。

【観劇記録】2016/11 ミュージカル「黒執事」 ~NOAH'S ARK CIRCUS~ (生執事)

 

  • 普通にネタバレ有り
  • ほぼ当時のSNS日記からのコピペです

 

2.5次元舞台を初・リアル観劇してきました。

黒執事好きだし、いろいろな意味で一番インパクトのあったサーカス編だし、セバスチャン役は帝劇で何度か見てる古川さんでイメージに合ってそうだし、サイトのビジュアルはどのキャラも良さげだし…行ってみるか!と、チケット入手を決意。

念のため、チケットを同じ日のマチソワで各1枚ずつ申し込んでおいたらどちらも当たったので、多分人生初のマチソワ観劇までして来ちゃったよ。

昼の部が終わった最初の感想としては

「ビジュアルから何から原作通りすぎてびっくりした! 」

役者さんは全員、原作から抜け出てきたみたいで、特にサーカス団のメンバー、中でもジョーカーがそのもの過ぎて、私今何を見ているんだろう、舞台?え?同じ次元に存在する人たちが演じてるなんて嘘でしょ??ってくらい、再現率が高かった。

一番の見どころは、サーカス団の登場シーンかな。ジョーカーの口上から妖しげな音楽をバックにサーカス団のメンバーが登場して、特にピーター・ウェンディのガチのアクロバットと、ダガーの華麗な一輪車技が見事。他のメンバーも、ドールはかわいいお姫さんだし、ジャンボもビーストもかたや二次元まんまのガタイの良さ、かたやお人形のようなスタイルだし、アンサンブルのダンスも息が合ってて、本物のサーカスのようだった。宝塚とか東宝とか、華やかな舞台はそこそこ観ている方だと思うけど、お世辞抜きでどこか闇をはらんだ美しさに魅入られてしまった。

全体に歌の入るタイミングが絶妙。シリアスな曲も、使用人3人組やソーマ&アグニのコミカルで派手派手な歌と踊りも自然に無理なく、お芝居の世界に溶け込んでる。Twitterでも同じようなことをつぶやいている人がいた。構成が良いんだろうな。

古川セバスは、マント捌きやダンスなどなど、身のこなしがすごく軽やかで優雅。段差のあるところに飛び乗るときとか、一瞬体重がなくなったみたいな動きをすることがあって、いっそう人外感が出てた。

シエル役の子って21世紀生まれなのか(!)大人の役者と並んでも全く遜色なかった。サイトでビジュアル見たときは、セバスとシエルは原作のイメージが強すぎて「あー、こんなもんかな」とあまりピンと来ていなかったんだけど、最初から最後までシエルでした。

サーカス団メンバー以外も思った以上にサーカスしてたな。シエルの綱渡りとか、セバスとウィルの空中ブランコ、まさかやると思ってなかった。

ウィルは高枝切り鋏もといデスサイズさばきに重さがあって、セバスとの対比が面白かった。流石は初代江雪兄様(笑)玉乗り(映像使用)とか、パジャマで登場とか、いちいち美味しい。

最初の方にも書いたように、ジョーカーはどこが良かったとかそういうのを通り越して、存在がジョーカーそのものだった。登場時の気のいいお兄さんから、絶望まみれの後半、過去の回想シーンまで完璧。

ドールは「少年のような少女」なのに男の子が演じるの?と意外だったんだけど、イメージぴったりだった。歌がとても良くて、一幕のソロで既にうるっと…後半は、前半の無邪気な姿との対比が痛々しくてガチ涙。

ビーストは想像してたより声が高めで、色っぽい外見とのアンバランスな感じが却って良かった。ジョーカーを止めようとして拒絶されてからセバスに誘惑される一連のくだりが原作のあの場面そのもので、ゾクゾクした。 *1

ダンスや派手なアクションはピーターとウェンディ(繰り出されるアクロバットがかっこいい!)、ダガーが中心っぽかった。ダガーの一輪車はキャラに合ってて違和感なし。

使用人3人組(前半)とソーマ&アグニがひたすらかわいい。特に後者は陰惨な舞台の癒し(歌がちょーーっと…だったけど、かわいいから許す)。ファントムハイヴ家襲撃はどうするのかなと思ってたら、役者さんの演技に加えて照明・効果音も駆使して格好良く仕上がってました。ピーターが逃げまどうところで若干自分から銃弾の雨に向かっていってるように見えたのは…席の位置の関係かな(^^;)

ケルヴィン男爵がまたすごくケルヴィンで。声もアニメ版と似てた気がする。先生は出番は短時間なのに、明らかに人として狂っているところが普通に怖い。どちらも反吐が出そうな悪役、というよりは背筋がぞわっとする気持ち悪さですごく惹きつけられた。

 

スネークはソロがあったものの出番少な目で、コミックスやアニメを知らないと謎の人になっちゃってるかも。多分そうじゃない(?)んだけど、醸し出す雰囲気が人外じみてた。そして人外っぽいと言えば葬儀屋。出てくるだけで周りが寒々しく感じられて、ケルヴィンや先生の怖さとはまた違う不気味さが。

アバーラインとハンクスは舞台オリジナルのポジションなのかな。随所で笑わせてくれる。黒執事は基本的に暗いエピソードが多いからね…。マチネとソワレで違うジャグリングのアドリブが入ってて何気にすごい。


マチネの時は第3バルコニーの端の方で音響が悪く、席の位置関係なのか台詞の響きや演出で少し「ん?」と思う所があり、舞台上でも複数の役者さんが台詞を噛んじゃってたりして、全体の評価は5段階では上から2番目の「満足」というのが正直なところ。

……だったんですが、ソワレは第1バルコニーの真ん中寄りの席で観劇できたこともあり、台詞も演出も違和感がなくて「大満足」に変わりました(台詞を噛む人も覚えてる限りいなかった)。2回観ることにしてよかった。


観る前はどうやって舞台にするんだろう…と少し心配だったけども、終わってみると舞台映えするし、笑えるところも泣けるところもあって、ミュージカルにぴったりのエピソードだな、と素直に思えたのでした。マチネではドールの、ソワレではジョーカーの回想で泣いたよ……。

客席はほぼ女性で、男性は5%もいなかったんじゃ、というくらい。やっぱり20代くらいの人が多いものの、私より上の年齢っぽい人もちらほらいらっしゃったな。*2


てか、過去の自分に言いたい。
何で千秋楽ライビュのチケット取ってないのよ!!!

 

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*1:私が見たときは、ですが、セバスチャンとビーストに関しては、歌の高音部分でもっと声出てるとよかったかも、という印象がありました。曲自体のキーが高過ぎるのかなぁ……低い~普通のところはとてもきれいに音が取れてたので。

*2:あと、マチソワのどっちかに刀ステの役者さんが2人いらっしゃってたようで……後で知って驚いた。