3次元別館。

主に観劇の感想です。2.5舞台が多めでその他のミュージカルやストレートプレイも。

【観劇記録】1/7 ピカレスク◆セブン(少年社中)

 

  • 多少ネタバレありの感想です

 

観ようかどうしようか迷ってるうちに公演日を迎え、気になる気持ちを抑えきれずに当日券にて観劇。

終わった後の印象はというと、

マクベスが美しい。

そして、非常に感想が書き辛い。

どういうお話だったのか?と聞かれると説明に困ってしまう。キャラクターはなんだかんだ魅力的だし、ちゃんとオチもあるんだけど……別の演目についてどなたかが書かれていた「広げた風呂敷は一応畳まれるけど畳み方が強引」というのがしっくり来るような。と言いつつ、面白かったかと聞かれれば素直にイエスだったりもする。ううむ。

主人公の一人マクベスは、「実はいい奴」という描かれ方は全くされておらず、召喚された直後に裏切るし、数が合わないからというだけで一緒に召喚された面子の一人をあっさり殺すし、気に入った女は力ずくでモノにするしで救いようのない悪役。その他の面子もすぐに裏切ったり寝返ったり、悪い奴じゃなさそうだけど自分のことしか考えてなかったりとそんなんばっかり。感情移入できるとしたら、もう一人の主人公のイエミツくらい……かと言うとそうでもなく、悪役?たちの心情に共感できる部分もちょいちょいあったりして。マクベスを筆頭に「うわーこいつ最低」と何度かツッコミたくはなるけども、暗いイメージのあるリチャードIII世なども含め陰湿さはなく、どいつもこいつもカラッとした悪。

 

以下雑感を箇条書きで。

 

  • ビジュアル最高。衣装とヘアメイクが全体的に好み過ぎる。公式サイトの写真は黒メインですが、舞台上で実際に着用されているものはもっとカラフルでポップ。全然こんなんじゃなかったよ?!って人も半分以上いるけど、マクベスやイエヤス、ノブナガあたりはほぼそのまんまのイメージ。
  • メイン二人を筆頭に殺陣が多い。どの場面のも速い上に力強く、迫力に目を見張るしかない。
  • マクベスがとにかく美しい*1。ザ・悪人だけどあの美しさは正義。3人の魔女とかマクダフとか出てくるので、ざっくりでも元ネタを知ってた方がわかりやすいかも?
  • トクガワイエミツが、一応江戸時代にも関わらず「ピカレスク・セブン」なんて中二全開な単語を普通に使ってることについては、突っ込んだら多分負け。ヘタレだけど根は善人。白一色の衣装に逆に鮮やかなインパクトあり。○○食べたいんだ。
  • ピーターパンが悪役?と思ったけど、召喚された理由を聞けばそんな気もしないでもない*2。改めて身体能力の高い役者さんだなあと。フック船長と何だかんだ息ぴったり。コンビで清涼剤的存在のような、そうでもないような。
  • ジャックはいろいろと訳アリとは言え、××された相手についてっちゃうって展開はちょっとどうなんだ(汗)両手の獲物を駆使した殺陣がカッコいい
  • シリアスかつホラーっぽく見えるけどギャグも多い。黒い全身タイツの男とか昔の戦隊物によくいたアレだしそもそも黒くないし。
  • 冒頭のナレーションが何気に神谷浩史さん
  • 名前の出てこないあの人やその人にも実は◯◯でした!があるのかと思ってたら特に何もなかった
  • 人物紹介に思いっきり出てるのでわかってはいたんだけど、最近個人的な観劇歴において第六天魔王&太閤殿下が続いてる*3
  • 織田ノブナガめっちゃ美しかったけどな!

 

エンタテインメント性は十分だけど、好みは分かれると思う*4ので全力でのおススメはしづらい、というのが正直なところではあります。ただ、ビジュアルと殺陣はストレートに素晴らしいし、好き勝手しまくり、やりたい放題のキャラクター達は強烈に生き生きと描かれてて、ある意味清々しい。オフィシャルサイトのあらすじとビジュアルを見て、面白そう、と思う人ならおそらく楽しめるのではないかと*5

*1:重要なので二回書いた

*2:調べてみたら少年社中の過去作品つながりらしい

*3:関東荒野とか、小田原攻めとか

*4:NOT二次元オタク+ほとんど観劇しない友人にチラシを見せたら引いてた

*5:このエントリーを書いてる現在、まだ当日券もあるそうですよ……と地味にダイレクトマーケティングしてみる