3次元別館。

主に観劇の感想です。2.5舞台が多めでその他のミュージカルやストレートプレイも。

【観劇記録】7/20 舞台『刀剣乱舞』悲伝 結いの目の不如帰(刀ステ)

 

  • 致命的なネタバレは避けるか文字色を薄くしつつ多少バレありの感想
  • 台詞、シーンはすべてうろ覚えなので記憶違いがあるかも知れない
  • 「美しい」「綺麗」ばっかり(語彙はおおかた墓に入った模様)
     

注意:劇場もしくはライビュ等で観劇予定の方は、一切ネタバレ無しで観劇されることをお勧めします(のでこのエントリーも回避推奨)

 

初日ライブビューイングから1か月半強、待ちに待ちに待った青年館でした。

ライビュの感想はこちら(↓)。

【観劇記録】6/2 舞台『刀剣乱舞』悲伝 結いの目の不如帰(刀ステ・ライビュ) - 3次元別館。

初見では情報量の多さと衝撃の連続でいっぱいいっぱいになってしまって何が何やら、だったんですが、リアルで観劇して第一に思ったことは、

刀ステって、美しいよね…… 

でした。今まで刀ステで泣いたことは映像含めて一度もなかったのに、あまりに綺麗で涙が出た場面(後述)もあった。

 

《以下、いつも以上にまとまりなし、時系列もバラバラの感想》

2階席最前列のセンターブロックだったので、全体を見渡すことができました。有名?な乗り越え防止のバーは、最前列ではそれほど気にならなかった*1。邪魔っちゃ邪魔だけど、前の人の頭で遮られるよりは遥かにマシ。

 

本題に戻ります。まず、照明が良い。機材自体がおそらく優れてるのもあるし、何と言っても演出・照明の技術の賜物なんだろうな。席の位置の関係か、舞台奥の照明が時々まぶしかったけど笑 ライビュではぼんやりしていたスクリーンの映像も綺麗に見えました。

OPで刀剣男士が全員出てくるところも、特に12振り全員が揃う後半パートでの衣装やウィッグの鮮やかな色合い、ひらひらと翻る袖や裾が美しくて、ここで既に「観に来られてよかったー!!」って表情筋緩みまくってた。てか目が足りない。

でもやはり、刀剣男士は戦ってる時が一番美しい!と、1幕後半の本丸襲撃の時に強く感じました。刀ステは、ストーリー自体の面白さもさることながら、毎回殺陣が素晴らしい。下半身が全くぶれない三日月の殺陣や、舞うように軽快な山姥切の殺陣、鶴丸はくるくる回る動きが綺麗だし、小烏丸は鳥のような足運びがどこかこの世ならざる者じみてた。光忠や歌仙のそれからは余裕と力強さが漂い、長谷部は好戦的、不動や骨喰はフットワークが軽く、大包平は勢いがあって、大般若や鶯丸は華麗。見た目に映えるというだけでなく、刀の付喪神、ということを明確に活かした見せ場なんだなー、という事を今更ながら認識。

 

初日から変更されてた部分もちょいちょいあった。

・長谷部が修行先で食べるのがおにぎり→おはぎ。差し出された瞬間、眉間にしわ寄せる長谷部。「おはぎに何か嫌な思い出でも?」と問われておった(会場爆笑)

光忠のマグロミュージカルの歌がマグロはヘルシ~♪みたいなのに。新曲?そして光忠に寄ってこられた歌仙が後ずさる時、草履が片方脱げちゃってた……

・三日月が食べちゃったのは、山姥切が名前を書いておいた羊羹→名前を刻んでおいた大福になってた。でもって軍議の時に三日月が懐から大福を出して「(山)いつからそこに入れてたんだ?!」「(三)(考えつつ)いつからかな……」「(山)食えるか!」ってやり取りの後、まんばちゃんの隣にいた歌仙がなぜかその大福を手に取って懐に入れてしまい、まんばちゃんに、食うのか?と突っ込まれてた(食べるの?)

鶴丸の馬当番のところは「(鶴)(小烏丸の台詞を受けて、刀身が)まっすぐだと馬が人参と間違えてしまうからな」「(山)本当か?」「(鶴)嘘だ」でした。ここは日替わりかな?その後で歌仙が自分の刀を抜いて検分してて、なんでかなーと思ってたんだけど、あれは自分の刀身がどうなってるのか気にしてたのか(ほほえましい)

・エピローグで大包平が「童子切はどこだ?!」って探し回りつつ鶯丸と一緒にはけた後の、不動の「元気いっぱいだな」みたいなコメントは初日もあったっけ?

・同じくエピローグの歌仙VSチーム伊達で手合わせしようか!ってところで、小夜ちゃんも誘おう、と言う光忠に「お小夜は僕を選ぶだろうよ!」と叫ぶ歌仙

自分で気づいたのはこのくらい。歌仙さんかわいいじゃないか。

あとは事前にTwitterで見た、三日月のラストの山姥切への呼びかけに、虚伝で印象的だった「煤けた太陽よ」が追加されてた、っていうところ。

それから、この回のログボは光忠でした。かっこよく決めたいよね!

 

今回初めて気づいた点も多々。鵺(仮)が名前を与えられる前、「刀」という単語を発そうとするといつも言葉に詰まってしまう*2とか、伊達組と織田組の安定感とか、骨喰に「何度この歴史を繰り返しているんだ」と尋ねられた時の三日月の虚無をたたえた目とか*3。初見ではストーリーに対する不完全燃焼感が強く、今回は全くそれがないと言うと嘘になるんだけれど、それ以上に一つ一つの場面や刀たちのあり方に注目してしまっていた。やっとリアルで観ることができた!という嬉しさが強かったのかな。

特にそう思ったのは2幕。冒頭近く、共に極姿の不動と長谷部の戦闘シーンで、不意に「虚伝からこの舞台をリアルタイムで観ることができて良かったな」という気持ちになりまして。初演ライビュで刀ステを知って、再演以降はありがたい事にすべて*4劇場で観劇できているんですが、もし自分がそれらの存在を知らない、もしくは知っていてスルーしていたら、何かの拍子で途中から見た時にめちゃくちゃ後悔しただろうな、と。

展開を知った上で改めて観ると、2幕はどの場面も良かった。

鵺が足利義輝に名前を与えられるところがすごく好きで、あの瞬間は彼らを応援したい衝動に駆られるんだけれど、直後に古備前コンビと鶴丸が正面に現れて、オープニングテーマと同じ旋律のBGM(だったと思う……自信ない)で対時間遡行軍の殺陣が始まると、ああわかってる、この舞台の主役は刀剣男士だよね格好いいな畜生!って魅入られてしまう。大包平が、顕現の時の「(略)もっとも美しい剣の一つ。ただ……」と名乗りを挙げた後、敵をぶった斬りながら「美しいだけの刀じゃない!」って続けるのとか、鶯丸が敵薙刀を壁に追いつめて斬った後で「まあ、細かい事は気にするな」って、言うのも痺れる。黒甲冑と対峙した時の鶴丸光忠はレベル80は軽く超えてたし、歌仙は相変わらずの武闘派文系だし、小烏丸の飄々とした動きと発される言葉の重さは役者さんの上手さに舌を巻くしかないし、骨喰がかつての主の介錯をつとめる場面は辛くて、隣に大般若(@シルエットも声の調子もそのまんま)がいてくれてよかった……。

そして、クライマックス近く。殺陣がスローモーションで展開される場面でその美しさをただただ凝視しつつ、最後に真剣必殺の姿で山姥切が現れた時。最初のうちは、敵を斬る動きがBGMと合ってて綺麗だなー、って普通に見とれてたんだけど、階段を上り始めたあたりからあまりに綺麗過ぎて涙出た……。なんて美しいもの見せ続けてくれるんだよもうほんとに!

三日月に他の刀たちが斬りかかって、結局誰も敵わないところも、哀しいよりも桁違いの強さが圧巻で唸ってた。山姥切との対決も、殺陣の美しさが見事だった。

エンディングに至るまで何もかもが美しく、めいっぱいの拍手を止めたくなくて、終了のアナウンスがあるまで腕が痛くなっても拍手し続けてました。

 

考察の類はほぼしない(できない)タイプなので、他の方の考察を読んでほえー、と感心しているばかりなのですが、思ったことをメモしてみる。

  • 三日月が鵺(仮)を倒さずにいたのは、彼が「歴史を改変することなく、三日月が円環を抜け出す(おそらくそれが三日月の望み)」キーパーソンになると踏んだ、あるいはなりうることがわかっていたからじゃないかな?
  • もしくは、鵺や、それに近い存在が生まれた時に斬ってしまった結果、三日月や本丸にとって悪い事態を招いたことがあった、とか
  • 黒甲冑が「歴史を改変したその先」ということを言ってたのが気になる。伊達政宗に天下を取らせる、ってことだけを指したのではなさそう?

 

初日のTDCの物販でトレブロが品切れだったので、明治座の公演期間中に行った物販で5枚ほど入手してたにもかかわらず、トレブロは1公演につき3枚まで!の禁をまたもあっさり破って終演後に追いトレブロ×5した*5。今回のは通称・寝姿のが好き*6。で、三日月、鶴丸、鶯丸の背景あり内番のが手元にあるんだけど、3枚とも茶を飲んでるか羊羹食べてるから、この面子で茶請けの羊羹と共に茶をしばく日もあったんだろうな、などと妄想してますます切なくなる……。それにしてもシークレット系のグッズでまんばちゃんが来てくれたことが、ゲーム、アニメを含めておそらく一度もない件について。

 

テレ東の密着ドキュメンタリーも3話まで見ました。非常に内容が充実してるので、円盤化とかするよね?関東ローカルで一回きりの放映ではあまりにもったいない!

これまでの公演の円盤を持ってるのにバクステ映像は見ずじまいなので(すみません……)、稽古中の役者さんたちの姿が興味深い。衣装と似た風に布を纏ってる人はわかるとして、突っ込みどころしかないようなTシャツ着てる人もいたりする(どこの光忠大包平とはいわない)。先輩からの厳しくも暖かいアドバイスの最中に、後ろに「稽古着」とでかでかと書かれたTシャツ着てる人が映ってて、もう笑うしかない視聴者。役者やスタッフが、個々の印象を稽古場から離れた場所で語っているのも新鮮だった。

役者、演出家だけでなく、アクション監督や衣装担当などのスタッフの声も取り上げられているし、明治座での場当たりやゲネプロ、楽屋の様子までちらっと映ってる。それでいて、明確なネタバレになる画はさりげなく除いているという心憎さ。開幕前の舞台袖の三日月と不動のやりとりが微笑ましかったのと、どこかのシーンの後、袖に引っ込んでからも涙が止まらず、暗がりで鼻をすすっていたばみちゃんの姿が印象的でした。

*1:当方身長160センチ弱

*2:あああ……

*3:オペラグラスでガン見

*4:小田原公演はライブ配信

*5:勢い余って2Lの全員セットも初めて購入したが個人セット全員分でも良かったかもなんて考えてないですちょっとしか

*6:三日月、歌仙、大包平のが来た