3次元別館。

主に観劇の感想です。2.5舞台が多めでその他のミュージカルやストレートプレイも。

【観劇記録】 8/30 ミュージカル『マリーゴールド』(2回目)

 

初回観劇時の感想はこちら。

raimu-sakura.hatenablog.com

 

初回は2階席、2回目は1階席後方でした。

1階席だと歌の「圧」がより強く感じられて、サンシャイン劇場の舞台に収まりきらないんじゃないかと思わされてしまうほどの迫力がありました。演技面も含め、改めて実力のある方々が揃っていることを実感。

 

以下、TRUMPやLILIUMの内容に触れつつ容赦なくネタバレしているので注意!

 

※個人の妄想込み+二輪咲きを見ていない*1ので、間違っている箇所があるかもです

 

初回では書ききれなかった分や新たに気づいたこと、改めて思ったことなどをつらつらと。

  • アナベルの愛情がいびつになってしまったのは、自分の中のマイナスの感情を全て、娘への愛という形に転化していたからなのかも。吸血種との子どもを身籠ってしまった不安や恐怖(エリカほど明確に嫌悪してはいないにしても、漠然とした恐怖心くらいはあったと思う)、長年、大切な事を打ち明けてくれなかった恋人への不信感、ガーベラを産んでからの周りの蔑みや偏見、そういった全てが、愛を向ける対象であるはずのガーベラを家に閉じ込めたり、不老不死を願ってしまうような極端な形になってしまったんじゃないか、と考えると、更にやるせなさが加速した。エリカやコリウスヘンルーダに愛され慕われていることからも、すごく優しい人ではあるんだと思う。LILIUMではマリーゴールド(ガーベラ)が「母親からも忌み嫌われた」といったことを言っているけれど、実際はそうではなかった。その事を救いと見ることはできなくはないが……ううむ……。
  • ソフィがいろんな意味で怖い。ガーベラが暴走してしまった場面で、暗くて表情はよく見えなかったけど、ウルの肩を楽しげに叩いたり、ガーベラの方を指差して、愉快そうにしているんですよ……。TRUMPでのソフィは、少なくとも目の前の惨劇を面白がるような少年ではなかったから、2800年の間にどれだけのものを見てしまったんだろうか。あと、LILIUMでマリーゴールド(ガーベラ)はダンピールとして爪弾きにされているんだけれど、あのクランにいるダンピールは彼女だけじゃない*2んだよね。だとすると、ソフィは「ダンピールとして忌み嫌われる」子と、そうならない子を選別している?その理由が、ガーベラから投げつけられた例の言葉や、彼女と母親の絆を見せつけられた事に由来するのだとしたら、相当執念深いな……。それだけ特大の地雷だったし、自分と似ている、とシンパシーを覚えた彼女に拒絶された事が辛かったのかもだけどさ。なんてことを書きつつ、やっぱりソフィを憎む気にはなれなかったりもしている。
  • ガーベラ役の田村さんはLILIUMでマリーゴールドを演じていた時も歌唱力が飛び抜けていたけれど、今作では、当時ちょっと入りすぎていた力が程よく抜けていて、確実に成長されている感。若手だとコリウスも、正直、薄ミュ左之助篇の時はこれだけ歌える役者さんだと思ってなかったので、びっくりしました*3。今後が楽しみな役者さんが増えるのは嬉しいね!
  • それにしても難しそうな曲が多い……特にアナベルとエリカが思いをぶつけ合う『時は戻らない』は、メロディ+歌詞の乗せ方が素人耳にもえぐくて「ひえええ……」と心で唸ってしまったくらい。とは言え、お二人とも綺麗に、迫力たっぷりに歌われていて素晴らしかった。サントラ欲しい。
  • TRUMPシリーズ5作品の中でも、LILIUMとマリーゴールドは話がすっきりまとまっていて理解しやすかった。他の作品も好きだけど、エピソードが詰め込まれ過ぎて、初見ではついていくのに精一杯で全体を把握しきれなかったり*4、作品によっては少々散漫に感じられてしまったりしたのは否めない。LILIUMとマリーゴールドはミュージカルという表現形態なので、登場人物の心情や状況の描写の一部が歌になった分、台詞で表現する箇所がシンプルになって、わかりやすくなったのかも知れないです。
  • それでも観劇2回目でやっと、誰がどういう経緯でお亡くなりになったかを把握した……毎度のことだけど死者が多過ぎる!
  • シリーズでおなじみの「我は守護者なり*5」は敗北+死亡フラグで、今までこの言葉を発した人は守りたいものを守ることができず、更にほぼもれなく死んでいった*6んだけど、「自分は死ぬけれど、守ることはできた」のは、多分アナベルが初めてだよね。それにしても、「守る」ということを誰かが口にするたびに息苦しくて仕方なかった。各々の「守る」というエゴイスティックかつ強い感情が衝突し合って、最終的にあのラストになったと思うと、しんどい……。初回では「我守護」の歌の辺りでこらえきれなくなって何度か泣いてたけど、今回はカテコの時に涙があふれて止まらなくなった。

 

全然まとまってないけど取り敢えずはこのくらいで。7月末に刀ステ悲伝が終わってから、ロス状態に陥る間もなくシリーズ旧作の配信があり、グランギニョルの円盤も見返したりして迎えたマリーゴールド。マイ楽の後も気が付くとTwitterで感想を漁ったり、通勤時にLILIUMのサントラを流しまくったり、今後もいくつかとイベントがあるようなので、しばらく、繭期は継続しそうです。

*1:配信もしくは再販しないかな

*2:作品中で明言はされてないけど、脚本家の発言などから

*3:悲伝のマグロミュージカルを聴いてたので、心配はしてなかったけど

*4:刀ステの、特に義伝、悲伝でもそれは感じた

*5:略して「我守護」という事をちょっと前に教えていただいた

*6:死ななかったのはゲルハルトくらい?