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3次元別館。

主に観劇の感想です。2.5舞台が多めでその他のミュージカルやストレートプレイも。

【観劇記録】2017/04/21 破壊ランナー

  • とりとめのない感想。少々のネタバレを含みます

 

1999年の惑星ピスタチオ版を劇場で観ており(93年版?も映像で見た)、今回の上演を知ったとき「おおっ!」と叫んだくらい楽しみにしていた演目。いろいろな意味で暑苦しい展開と迫力のレースシーン、コテコテのギャグが記憶に残っていました。 

それだけに、(力量は十分にある役者さんたちだとわかっていても)正直なところ、期待ほどじゃなかったらどうしよう、と若干心配もあったんですが……全くの杞憂でした。

強く感じたのは、役者全員から発される熱気と一体感。どのキャラクターも強い個性を放ちながら、ひとりひとりがバラバラの方を向いているのではなく、一丸となって作品を創り上げる!魅せてやる!という気迫がありました。レースシーンも圧巻で、二十名のうち、ひとり欠けてもあの舞台は成り立たないんじゃないだろうか。

 

豹二郎ダイアモンドは、若くしてあっという間に頂点に「上り詰めてしまった」天才ランナー、という印象を受けました。腹筋善之介さんの豹二郎からは、ランナーとしてはベテランの領域に達している落ち着きも感じられたけれど、今回の池田さんはよりがむしゃらで、血の気の多い若者らしい雰囲気*1。とはいえ決して軽くはなく、地にしっかり足のついた重さもあり(それだけにカテコでの跳躍の高さにびっくりした)、レースでの走りは力強い。演じる方の実年齢によるところも大きいと思いますが、どっちが良い、というのではなく、どちらにもそれぞれの良さがありました。

コーチのリコとの関係は、師匠と教え子のようなものなのかな?砂漠で2人が会話するところ、数少ない静かな場面で、豹二郎の年相応の幼さや弱さも見えて良いなあと思った(ぶっちゃけ萌えたんだけれども、関係性やつながりの強さがちょっとわかりづらかったのは残念。リコのポジションはもともとはリンコという女性で、恋人だったからね。

そのリコは、兄貴というか師というか、風貌もあいまってどこか浮世離れした人でした。通常時の体の動きが極端に少なかった意図は……現役を退いていることの強調?走るときのフォームが流れるようで綺麗。

敵役の筆頭、黒川フランクはあんな衣装で出てくるとは思わんかったわ……!パンチパーマ―にがっつりメイク、胸元ほぼ全開のピタピタコスチュームにおネエ言葉で登場シーンからインパクト十分、一気に持っていかれました。明らかに様子のおかしい人なんだけどやり過ぎても変だし、おとなしいとつまらない、そのあたりのバランスは絶妙。銅橋@ペダステのときも思ったけど、独特の華がある役者さんですね。

あると知ってとても楽しみにしていた中央郵便局のくだりは5~6回リピートで「いい加減しつこいわ!」と思いつつ笑わせていただきました。人間が音速で走る時代なのに郵便物に人の手で「スタンプぺったん」してるのかというツッコミはさておき、最終的にはスパイクまでとてもエエ声+超キレキレのスタンプぺったん披露するし(会場手拍子+拍手)!ピスタチオの看板役者のひとりだった保村さんも黒川フランクの上役、タイベリアス提督役で出演されていて、久々に拝見できたな。

上記以外だと個人的には、走りの異質さが際立っていたライデン、身体の動かし方が抜群に美しかったピラニア、かつてのレーサーの哀愁と貫録の漂っていたポドルスキー監督、何となくおかしみのあるイグレシアス皇子、軽快なしゃべりのアナウンサーロボットC3-9000(と生意気な中学生)あたりが特に印象的でした(ここ最近、生の舞台で見たことのある人に目が行きがちではあったけど、それを差し引いても)。

ピスタチオ版とはキャラクターの名前や設定、性別が変わっていたり*2、一部の場面(筋肉とお師匠様と死汚理とか)がカットされているなど気づいただけでもちょいちょい違いはありますが、そもそも演じる人が全く違うので、それほど気にはならなかった。

公式のあらすじはシリアスっぽいけれど、笑いの巻き起こる場面はそこここにあり。ザ・古典的熱血少年漫画なストーリーで迫力は満点、全体に漂う独特の暑苦しさと濃さはハマればクセになる……という訳で終演後にリピーターズチケットを購入してしまったので、次回の観劇で気づいたことや心境の変化があれば、また追記するかも。

東京・六本木にて4月30日まで公演中、まだプレイガイドでもチケット購入できるし(4月24日現在)、当日券もあるようなので、ペダステや役者さんのファンの方も、演劇ファンの方も、気になってるなら観ておいて損はない、いや、むしろ観ないと損するかもよ!と申し上げておきます(実はこれが一番言いたかった)。

 

(追記)

4/30(日)、千秋楽を観劇しました。初回は前から10番目以内の席、2度目は結構後ろの方の席だったんですが、遠くからの方がより役者ひとりひとりの個性が際立って感じられた。だからと言って一体感が損なわれていた訳でもなく。豹二郎のマイムが微妙に増えてたり、黒川フランクとスパイクが主に登場シーンのあたりで「ちょ、そこまでやるか……(^^;)」ってレベルでいろいろ弾けまくってたりしつつも、レースの迫力はやっぱり凄まじかった。DVDも出るそうなので、見逃した方は是非……!

*1:プロフィールを見たら本当に豹二郎のような経歴のお方だった

*2:リコの他にカルリシオも、性格はそのままのカルリシアという女性ランナーでした