3次元別館。

主に観劇の感想です。2.5舞台が多めでその他のミュージカルやストレートプレイも。

【観劇記録】8/1 舞台『刀剣乱舞』慈伝 日日の葉よ散るらむ(刀ステ)

 

  • いつものごとくネタバレ全開の感想です
  • 台詞などはすべてうろ覚えなので記憶違いがあるかもです…

 

注意:ライビュ・配信などを含め観劇予定の方は、一切ネタバレ無しで臨むことをお勧めします(のでこのエントリーも回避推奨)

あと、過去作を一通り見ておくとより楽しめるかも。

 

これまでの刀ステは初日ライビュを含め、公演期間の割と早いうちに観劇できていたんですが、慈伝は大楽近くになりました。やっと観られたよ!!

 

終わってから頭に浮かんだのは「信頼と実績の刀ステ」でした。だってさ、あの日常アニメの花丸ですら、1クールの間に何度か過去の時代に出陣して敵と戦うシーンがあったのに、慈伝は冒頭の聚楽第出陣を除き(それすら映像だったりする)、ほぼすべてが本丸内で展開されて、舞台上に登場するのも刀剣男士オンリー。殺陣はあるものの模擬戦という形で、「舞台の上で時間遡行軍と戦うシーンがない」という、刀剣乱舞のメディアミックスとしてはかなり異色の物語でした*1。もちろん今回も楽しめたけれど、こういうイレギュラーな作品を外伝などではなく悲伝の続きとして、そしておそらく次回作へと繋がっていく本編として上演できるのは、これまでの刀ステが積み上げてきた信頼と実績の賜物なんだろうな。 

 

以下、箇条書きでつらつらと。

※まとまってません&時系列もバラバラ

 

  • 最初、聚楽第出陣のシーンが映像で展開されて「ええっ?!」と戸惑った…しかも出演者の方々が舞台上でなくスクリーンの中で時間遡行軍とガチで戦ってるので余計に。アンサンブルキャストの発表がなかったことなどから時間遡行軍との戦いがないことは想定内だったものの、洛外からボス戦まで、ダイジェストの映像とは随分思い切ったなあ……。それでもボス戦の音楽が原作と同じだったり、画面もアクションゲームっぽさが感じられてちょっと面白くはあった。
  • 映像が終わると共に始まるオープニングは長義以外全員出演+内番衣装でまたびっくり。曲もポップでほぼ花丸。わちゃわちゃしててこれはこれでかわいい。
  • いつもの一振ずつ名乗っていく場面はナシ。このノリでアレがあったら逆におかしいことになってたよな…。とは言え、新しい男士たちの顕現の名乗りを見てみたかった気持ちも少しだけあったりはする。
  • 初登場の刀がいっぱい。次郎太刀と五虎退の人以外は初めてお名前を聞く方でしたが、もちろん心配など不要でした。特に原作ゲームでお迎えした時からお気に入りの長義! 写真で見た時は悪くはないかなー、くらいの印象だったけど、気位高そうでいて折り目正しいし、同じ刀派の大般若とは割とすぐに打ち解けるし、翻って南泉やまんばちゃんにはあの挑発的な態度。模擬戦の時だったかな、高さのある跳躍には目を見張らざるを得なかった。そんななのに布バサされまくるし、鶴丸に翻弄された挙句に正体を知らないままこっちを向けと迫ってくるまんばちゃんに「ええー……」とうろたえまくったりもして、まさに理想的でした。終演後に個人ブロマイド購入を即決した。
  • 南泉も時に猫っぽくなるところはやり過ぎにならない加減で微笑ましく、でも昔馴染みの長義に対して言うべきことははっきり言っていて、立ち位置に末満作品ぽさを感じた*2。あの本丸にいてくれて良かったなあ……。長義ともども、終演後に個人ブロマイド購入が決定*3
  • 声がゲームそっくりで終始わたわたしてる五虎ちゃんと、礼儀正しい語り手の前田、かわいい……博多と並んだ時の破壊力というか粟田口短刀たちの尊さよ。何気に粟田口の子が三振以上揃うのは初めてだよね。模擬戦での連携プレーは滾った。
  • 落ち着きがあって美しい太郎太刀と、賑やかで綺麗な次郎太刀の兄弟。酒は勧めまくるが下戸とわかれば無理強いはしない、これ重要。風流な唄と舞まで披露して、流石は奉納刀といったところ。途中で着替えた時に大太刀(刀本体)の長さに改めて驚く。これで殺陣やっちゃうんだろうか、と思ってたら兄弟揃ってあの凶悪レベルの長物をガチで振り回しててまさに嵐でした……。
  • 内番姿がヤンキー&ラーメン屋のあんちゃんな三池の刀たちは、戦装束で並んだ時のビジュアルがめっちゃカッコいい。模擬戦時はソハヤの胴の部分の防具や、光世の脚の間の紐が見るからに扱いにくそうで、ちょっとはらはらしたけどな! ソハヤの「コピーでいいじゃねえか」の響きがジョ伝の時とは違って切実さが滲んでるように聞こえたのは、陽気な面しか見せようとしない彼なりに、まんばちゃんのことを案じているからなんだろう。そして終盤の光世に吹いた……そこで真剣必殺の台詞かい!
  • 今回初登場の陸奥守。「山姥切より少し後に顕現した」と言っていた通り、かなり初期の頃から本丸にいるような雰囲気があった。宙返りを華麗に決めてたり、戦闘時に銃を使ってきたりとかなりアクティブ。まんばちゃんに「吉行」と呼ばれてるのが新鮮だった。
  • 会場替わり男士は歌仙。予想以上に終始出番があったので、期間限定の他会場の配信も見たくなるパターン。模擬戦に参加しない理由が「一句したためたいから」みたいなのだったのが雅。大包平と長義について書いた某ツイートを読んでから改めて考えたんですが、歌仙は顕現してからそれなりに経ってるし、義伝の時に前の主に対する感情等々との折り合いがある程度ついてるだろうから、戦うことによって存在意義を示す必要のある仲間たちに場所を譲ったのかもね。
  • 前作までは眉間にしわ寄せて悩んでる場面の多かった長谷部は、盛大にボケつつ突っ込みまくっておりました。山伏と一緒になってまんばちゃんと長義を出会わせまいと奮闘しつつ滑りまくるくだりは盛大に笑わせていただいた……明らかに不自然だからそれ!おはぎ引っ張り過ぎだから*4! 近侍のことを精一杯気遣いつつも、模擬戦では気に食わない相手のはずの長義のチームに自ら加わるあたり、本丸(というか主)第一なところはぶれないなあ。
  • 山伏も長谷部と一緒にコント状態になっちゃってたのは、近くで兄弟の苦しむ姿を見てきたからなのかな。悟っているように見えて、割とテンパりやすいタイプなのかも知れないぶっしーさん。
  • 同田貫のまっすぐさが染みた……ジョ伝の頃を知ってるからこそ余計に。一番わかりやすくストレートにまんばちゃんの味方だったもんね。たぬきがあれだけ本音で長義にぶつかってくれたからこそ、他の仲間たちも「自分の言いたいことはあいつが言ってくれている」と、フォローに回れたのかも。
  • 大包平がずーっと叫びまくってて、酔いが回っているにしても少々うるさ過ぎでは……と思ってしまったんだけど、先述の、大包平と長義についてのツイートに「大包平の『よくわからないが悔しい』『戦いたい(=戦って勝つことによって存在意義を示したい)』というのは、長義の心の叫びでもあるんじゃないか」と言った趣旨のことが書かれていたのを読んで、ちょっと納得。たぬきとは違った形でストレートなんだな。
  • 鶴丸は畳の下から登場したり、布を被って暖を取ってた時に後ろ姿でまんばちゃんと間違えられて、そのまままんばちゃんのフリしてみたりとか、やりたい放題でした……てか後者のは気づけよ長義! でも、模擬戦に参加できないことを悔しがる大包平を見て、じゃあ3チームにしよう、と提案するあたり、本丸全体のことをちゃんと見てもいる訳で、その辺は年の功というか。一見つかみどころのない鶯丸や、終始飄々とした大般若にも同じことが言えるかと。
  • 「偽物くん」なんてさ、普段のまんばちゃんならああまで動じなかったかもだけど、悲伝の後だからね…辛い。はっきりとは語られてなかったけど、多分本丸内では、特にまんばちゃんの前では三日月宗近の名前は暗黙のタブーになってたのかもな、と。近侍のことを気遣ってのことであっても、それが余計に心苦しかったのかな。それと、私が観劇した回では、模擬戦の最中に頭の布が取れてしまう、というハプニングがあったんですが、観劇中は全然気付かなくて、そういう演出だと思ってた…。普段布に覆われてる素顔を戦いの時に垣間見てしまったことが、長義の心境に何らかの変化を及ぼした、みたいな。
  • 五虎退の探し物は義伝のあれだったか。今手元に戯曲が見当たらないので確認できないんだけど、小夜ちゃんがもらってたよね確か。どういう経緯で五虎ちゃんに渡ったのかとても気になる。けど五虎ちゃん、これくらいの大きさの、だけじゃなく、小さい物がたくさん詰まった巾着、とか、中身をはっきり言わないまでももう少しヒント出しても良かったんでは……。あれじゃ流石にわからんだろう、というかそれでも真剣に探し物に付き合う面々、優しい……。
  • 長義は終盤で少しだけ歩み寄る姿勢を見せるけど、依然「偽物」のことを認めてはいない。そして、本丸の男士たちはそのままの彼を受け入れていく、というのが良かった。馴れ合わない大倶利伽羅や、心に闇を抱えたまま極の姿になった小夜ちゃん然り、多少の出来事で簡単に変われない部分もある。そしてその事は仲間として歓迎しない理由にはならない、というのは懐が広いというか、刀として長く人間の営みを見てきたことならではなのかも知れない。
  • しかしこう書いていくと、それぞれにちゃんと役割と見せ場のある脚本なんだなあ、と唸らされてしまう。中盤まではドタバタコメディ→後半に緊迫感を持たせてラストはしんみりさせつつ、次回への期待も持たせる、という流れも自然でした。ちゃんと殺陣もあったし! 本丸でドタバタした日常を繰り広げる刀剣男士たちの様子も楽しいけれど、模擬戦が始まって、やっぱり刀剣男士が一番輝いてるのは戦ってる時だよね、と再認識した。
  • 模擬戦と言えば、今回は久々の一階席、しかも通路近くの席での観劇だったので、下手側通路を駆け上がってハケるたぬきや、暗い中でゆっくりと通路を降りていく大般若を間近で見る事ができて嬉しかった。
  • ラスト、まんばちゃんと陸奥守と歌仙が語らう場面は、初期刀メンバーだ! と原作ゲームファン目線で胸熱。ところであの感じだと、次回のメインはむっちゃんだったりするんだろうか。
  • エンディングが、真っ白な傘に映像で名前を投影する、というようになってたのが面白かった! 曲は今回も期待を裏切らないかっこよさ(ジョ伝っぽいやつ)だったので、また音源欲しくなるじゃないか。

 

千秋楽はこれからライビュで観劇予定なので、見て考え直したことなどあれば、後日追記&修正しようと思います。

 

 (ライビュ後追記)

ライビュ前に書いた部分をちょいちょい直しつつ、新たに感じたことなど。

今回は模擬戦の最中に布が取れてしまうような事もなく、本来の形であのシーンを観ることができまして。布を被ったままだと、よりまんばちゃんのずば抜けた強さや、勝利した後に勝ち誇る気が全くないところが際立っていました。こんなの見せられたら悔しがるしかないよなあ、長義……。

そして、次回は文久土佐藩ってとこまでは何となく予想してたけど、実際に告知映像を目の当りにすると心拍数が。南海先生は春に観たSPECTERのシャドの人だね。しかも兼さんと堀川君来るし、鶴丸は続投かと思ったらまさかの染鶴さんカムバックだし! そして、(おそらく)初めてまんばちゃんのいない刀ステ。これも時期的にあり得るとは思ってたものの、やっぱり寂しいね……。今までお疲れ様でした&また刀ステ本丸に戻ってきてくれたらとても嬉しい。もちろん健鶴さんも長谷部も、次回作には出演しない他の刀剣男士たちも!

*1:らぶフェスは観たことがないのでわからないんだけども

*2:虚伝の長谷部や、他作品だと繭月のジュリオとか

*3:と言いつつ会計を待つ間にあの刀もその刀も、と増えていき最終的には11種類ゲットした

*4:もはや刀ステ長谷部のお約束とも言う