【観劇記録】6/2 舞台『刀剣乱舞』悲伝 結いの目の不如帰(刀ステ・ライビュ)
・初日ソワレライビュ後のざっくりとした自分用メモのような感想
・致命的なネタバレは避けるか文字色を薄くしつつ多少バレあり
注意:劇場もしくはライビュ等で観劇予定の方は、一切ネタバレ無しで観劇されることをお勧めします(のでこのエントリーも回避推奨)
TDCホールにて初日ソワレをライブビューイングで観劇。座席が第2バル最前列のセンターブロックという、ちょっとありえないくらいの良席でした…ライビュだけどな!
1幕終了直後の私「何これ何これ何これ何これ何これ何これ何これ(エンドレス)」
2幕観劇中「急急急緩っぽいけど急急急めっちゃ急(繰り返し)」
終演後「わたしいったいなにをみてたんだろう(呆然)」
さながら、まどマギ並みにジェットコースター展開のアニメを1クール分一気見したような気分。内容盛りだくさん過ぎて、体感的には休憩なしで5時間くらい見続けてたような。そしてどなたかがインタビュー?で触れられてたように、本当に「第一部・完」だった。
以下、思い出した順に箇条書きで。
※記憶違いがあるかも知れません
※しつこいようだけどネタバレあり
- ソワレのログボはまんばちゃん…だったよね?既に記憶が
- オープニングで長谷部と不動が旅装束になってて、予想してはいたものの早くもわくわくした
- 毎回定評のある刀剣男士以外のキャスト。足利義輝様も眉目秀麗で誇り高く、素敵だったけど、全く予想のつかなかった「鵺と呼ばれる」がドストライクでした。たどたどしい言葉づかいに不安定な視線で、他作品で例えるならグランギニョルの繭期の子たちっぽい雰囲気*1。本当は別の名前で表記したいのをこらえつつ、以下、便宜的に「鵺」と表記します。
- 近くの席の人たちも言ってたんですが、古備前組の髪型がなんとなくしっくり来なかった。大包平はちょっとボリューム出過ぎだし、鶯丸は目が思いっきり隠れ過ぎだったような。慣れたら気にならなくなったけど。
- 逆に小烏丸のビジュアル再現率は見事としか。次点は大般若。
- 古備前組はウィッグについては「うーん……」となったものの、その他はイメージぴったり。鶯丸は登場した瞬間から鶯丸だったし、大包平も出てくると物理的にうるさくて(褒め言葉)ある種ムードメーカーだった。
- Mitsutada Cookingパート2。光忠の美声+高歌唱力のマグロ解体ソング&割烹着姿の歌仙……ありがとう。
- 上記の光忠みたいに個々の役者さんの有してる技術が、役のイメージを損なうことなく作中に盛り込まれてていいね。骨喰のブレイクダンスっぽい足技とか、不動の殺陣でのバク宙とか。
- 細かいことですが原作ゲームから入った身なので、池田屋での戦いが打刀+短刀の編成になってたことに軽く口角上がった
- 軍議がまともな軍議だった。そして、ステ本丸には獅子王も顕現している模様。
- まんばちゃん、羊羹に名前書いてたのにね……(合掌)
- 殺陣については続投メンバーの方が安定感があるなーと思ったけど、パンフによると、顕現したばかりの刀、ということで敢えてのそういう殺陣らしい
- 黒甲冑、まさかの再登場。声は政宗公の人か―!
- そうか、本丸襲撃か……うわああああああ……
- 真剣必殺さ……いつも思うんだけど、脱いだ時の体格まで再現率高いのすごくない?!前半で既に八振りが脱いだのはびっくりした。もうクライマックス?!て。そして小烏丸、大般若、大包平の真剣必殺姿は今回の舞台で初めてお目にかかった(うちのゲーム本丸ではまだなので)
- 真剣必殺の殺陣は毎回どの刀のも好きなんだけど、このシーンでのMVPは個人的には大般若かな。抜群に美しかった!あと、舞台中央からセリ上がってきたときの骨喰の立ち姿がゲームの立ち絵そのもので、おおっ、となった。
- 悲伝ばみちゃんはジョ伝の繊細さを残しつつも、同時に芯の強さがにじみ出ていた
- いつもムードメーカー的な立ち位置の光忠がああいう役目なのはちょっと意外で良かった。あの展開にはハラハラさせられたけどな!鶴丸は保護者ポジションで落ち着きが増してた。
- ベタではある。けど、あのタイミングで帰還する織田組の二振はやっぱりおいし過ぎる!あと修行中に上手と下手で台詞がシンクロするところが好き
- まさかの主登場
- ところで、ここまででまだほぼ1幕の話しかしてないんだぜ?
- 実のところ、2幕が怒涛過ぎて1幕以上に記憶がおぼろげなんだ……
- 三日月不在の本丸で更に際立つ、小烏丸の貫録と存在感。
- 今回は出陣の儀があった!しかし誰が出てたか既に記憶が……九振り全員いたっけ?
- 鵺ちゃんが足利義輝に名前を与えられた後、ああいう風に変わるのはずるいよ(涙)
- 確か義伝では無かった歌仙の「万死に値するぞ!」が聞けて地味に嬉しい
- 黒甲冑や鵺にとどめをさしたのがそれぞれあの刀とその刀なことが印象的。そして鵺の最期、「あの描写」があったのがまた切ない……
- 足利義輝と小烏丸のやりとりがまさに集大成だった
- ついに来た山姥切の真剣必殺。演出もあいまってめちゃくちゃ綺麗だった。
- ラスト付近の三日月の姿に言葉を失う。役者さんの初日ツイートの写真はそういうことだったのか……うわあああああ……
- 2幕、もっといろいろ思ったことがあるはずなんだがいっぱいいっぱい過ぎてついてくのが精いっぱいで……
- で、エピローグのやりとりでやっと笑えた。あの刀顕現してるんだ、と思ったらしてなかったのかよ!あと歌仙さんかわいいじゃねえか
- ラストに顕現した「彼」は次の話に繋がっていくんだろうか、それともそうはならない?また円環の中へ戻っていったのはおそらく確かなんだろう、まで考えて「TRUMP」で永遠の時をひとり生きてきた「彼」のことを思い出した。
- 観終えた後にリーフレットのキービジュアル(三日月中心に全員そろってる方)を改めて見返したら「うわああああ」と唸るしかなかった……
実のところ、もっときれいに謎が解き明かされて決着がつくと思っていたので、少々不完全燃焼なのは否めないです。満足度は高いんだけど、初見では消化できてない部分がかなり多い。それと、ひとつひとつの場面が丁寧なのはすごくいいんだけど、よくわからないものも含め情報量が多すぎて*2、疲労感も半端なかった。観てるだけでもそうなので、演じる方の消耗も今作は特に心身ともに凄いんじゃなかろうか、などとも。どうか無事に千秋楽を迎えられますように……。
エンディングは「勝ち鬨の歌」のロングバージョン。このセレクトには意表を突かれた。鵺ちゃんは、刀剣男士と同じ傘を持って出てきてくれたらいいなーと思ってたから、嬉しかった。
トレブロは終演後には売り切れてたので、パンフレットと、トレーディングのクリアファイルと缶バッジを1つずつ購入(でもって列離脱してすぐパンフレット終了のアナウンスがあった)。クリアファイルは歌仙、缶バは不動の戦装束verでした。今回のパンフには全ページに仕掛けがある、と制作された方がツイートしていたので、手元のを見返してみた。こういうの好き。
【観劇記録】5/29 天は赤い河のほとり/シトラスの風-Sunrise-(宝塚・宙組)
・とてもざっくりとした感想
・ストーリーのネタバレあり
「天は赤い河のほとり」はリアルタイムで読んでたので、発表されたときは懐かしさを覚えつつ、あんなシーンやそんなシーン盛りだくさんなんだけど大丈夫か?と若干心配になったものでした*1。
コミックスを文庫版で3巻まで復習した上で観劇終了してまず声を大にして言いたいこと。
何でこれ、一本物でやんないの?!
※気持ち的には72ptくらいの大きさで
めいっぱい頑張ったんだなーというのはわかるんだけど、いくらなんでも端折り過ぎ。コミックスは全28巻、文庫版でも16巻あるのに、お芝居とショーがそれぞれ独立した二本立ての時にやる演目じゃないよ! TCAプレス*2によると、その辺は脚本家や演じる人たちも感じていたようで「ドリームライブ、略してドリライ」だとか……。そうかドリライなのか、まだ見たことないけども。
上記のように思ったのも、ビジュアルや各場面の作りはとても良かったから、だったりする。
登場人物が勢揃いするオープニングが神だとは聞いていたけれど、噂に違わない豪華さ、かつビジュアルも文句ナシで、ちょっと涙出たくらい素晴らしかった。カイルは高貴さあふれるザ・皇子様だったし、ユーリは可愛くてかっこよく、ラムセス、マッティワザ、ザナンザ、三姉妹、ティト、イル・バーニ、ネフェルティティ、ナキア等々も良かった。
古代オリエントの話のため、コミックスは男女問わず肌露出が多めなんですが、さすがに宝塚なので、露出控えめになっておりました。ユーリが現代の服から着替えたとき、「この服、肌の露出が多い…」的なことを言ってたので、元はマイクロミニ丈だから!と内心突っ込んでみたり*3。あと、R指定が入りそうなレベルのセクシーな場面は軒並み抑えめorばっさりカットとなっておりまして、「天は赤い河のほとり(全年齢版)」ではあった。
カイルは愛情表現がワイルドかつお色気ただよう皇太子というよりは、気品漂う皇子様度高め。ユーリに対する手の早さはだいぶ薄まってたけど、元々聡明で人望はある訳だし、こういう解釈もありかな。真風さんはもうちょっとギラギラした感じのトップになるのかなーと勝手に思い込んでいたんですが、物腰穏やかな貴公子、といった雰囲気で良き。
ユーリは「カイルの相手役*4」という位置づけではなく、物語の主役として描かれていて嬉しかったです。ネフェルティティにヒッタイトと通じていた証拠をつきつけるところ、軍隊に号令をかけるところなど、かわいいだけでなく堂々としていて見惚れた。
嬉しかったと言えば、ナキアとネフェルティティ(タトゥーキア)も。二人の少女時代の哀しい記憶や、それぞれの大切な人との思い出がきちんと時間を割いて(ナキアの少女時代にはソロ歌まであり)描かれていて、単なる敵役に留まっていなかったのはすごく好印象でした。2週間ほど前に見た往年の名作とされる某演目の、ヒロインの描かれ方にもやもやしまくったばかりだったので特に……。時代が変わってきたのもあるし、脚本家の性別に由来することとは言い切れないけど、女性の座付き作家が増えてよかったな。まあ、ネフェルティティとマッティの関係がわかりにくい*5&メンズ陣が割を食っちゃったのは否めず、特にウルヒ、ルサファ、カッシュはもうちょっと何とかならんかったんかなーというのが正直なところではあるんですが。
逆に出番が増えてたのがティトで、序盤では殺されず中盤まで生きていて、ユーリの身代わりに処刑される、という展開になっており、ウルスラの役割も兼ねていました。配役の発表時点でウルスラが出て来ないと知ったときは残念だったけど、終盤でカッシュの頭の飾りがそれらしきものになってて胸熱*6。
ラムセスは原作でどうだったかあんまり覚えてないのでコミックスの続き読まねば。ユーリを口説くシーンの曲と振付がいかにもベタなミュージカル調だったのが面白かった。宙組に来てからは初めてお目にかかる芹香さんは、花組の頃よりもキリっとしたような。これまであまり見たことのない役どころに新鮮さを覚えつつ、期待通りかっこ良かった。
不満な点を多く書いてしまったものの、歌舞伎みたいに名場面のいいとこどりの上演、と割り切れば、とても華やかで十分楽しめる演目ではありました。
ショーの「シトラスの風」は、場面によっては20年前の初演当時そのままのデザインの衣装だったりと、時代を感じる部分は確かにあるんですが、社交界での三角関係を描いた「ノスタルジア」はやっぱり好きだし、「明日へのエナジー」は何度観ても震えがくるくらい圧倒される。初演にあった花占い(?)や、白い仮面をつけたダンサーたちの場面は、再演以降はやらなくなっちゃったんだろうか。今回新しく追加された場面では、黒と白のシンプルな装置で組長の寿さんと新トップの真風さんを中心にして、男役のダンサーたちが踊るところが素敵でした。
【観劇記録】4/30 ミュージカル『薄桜鬼 志譚』土方歳三 篇
・演出面のネタバレ含む感想です
・配信、円盤等で見る予定の方は回避推奨。できる限り前情報ナシで見ることをお勧めします
薄ミュは沖田篇を映像で+その後ライブCD聴き倒し→左之助篇をリアルで観劇→斎藤篇を配信で、という順で、今回の観劇は実質4作目。演出家が交代ということで、よく名前を聞く人だけどガラッと変わり過ぎたり、特にヤイサがなくなっちゃったら寂しいな、と、期待半分、不安半分でチケットをゲット。明治座は戦国鍋TVの忠臣蔵パロの舞台以来なので、約6年半ぶりでした。月日が経つのは早いね……。
で、1幕終了後の第一声*1。
めっっっっちゃ格好いい。
以前の土方篇を観ていないので他の篇との比較になりますが、余計な部分が削ぎ落とされて、見せ場が際立った印象。ひとつひとつの場面が美しく、どこを切り取っても絵になる。歌える人は歌唱力で聴かせ、身体能力の高い人は殺陣やアクションで魅せまくり、ベテラン勢は芝居で存在感を放ち、と、適材適所の見せ場が主役だけでなく、一人一人に用意されてる。シーンの流れもスムーズでテンポよく進む。
……なんだけど、何かが足りないような気がする。それは、前作までに感じられた「がむしゃらなまでの勢い」かも知れない。それこそ良くも悪くも、とつくんだけれど、「時間の許す限り全部見せてやる!」というような、演じる側、作る側のある種暑苦しいまでのごちゃっとした熱意の塊みたいなものが従来の薄ミュにはあって、それが魅力の一つだった。もちろん、今回の薄ミュに勢いや熱意が感じられない、という事では決してないのですが、スタイリッシュかつスマートになったことが少し寂しく感じられたのも事実。
とは言え、沖田篇や斎藤篇の曲が歌われたり、左之助と不知火の一騎打ちなど、前作を思わせるシーンが随所にあり、BGMには耳慣れた曲も多くて、これまでの薄ミュを大切にしてくれているんだな、とも。
などとつらつら考えていたのも1幕までで、2幕からは怒涛の見せ場の連続に息つく間もなく、終演後はどこを切り取っても「かっこよかった……」以外の感想が出てこないくらい、骨抜かれまくってました……。
以下、箇条書きで。
- 幕開きすぐの全員揃っての歌はヤイサではないんだけど、曲も振付も華やかで美しく、最初から拍手しまくった。公式ツイッターによると【志譚 水鏡】というタイトルなのね。音源欲しい。ここで既にばんばん桜が舞い散ってて、最初から?!とちょっとびっくりした。
- キャスティング発表の時から合っていそうな気がしていた土方さん。観劇直前に原作ゲームの土方ルートを一通りプレイしてみた。意外だったのは、もっと正統派に素敵なのかと思いきや、このルートの土方さんは敗軍の将で、色々なものを次々と失い、仲間に対しても終始情けないところを見せまくってる。なのにその生き様に強く惹かれるものがある、という人物として描かれているんだよね。舞台ではどう演じられるのか全く予想がつかなかったんですが、こちらもしっかり格好悪くて、そして、最高に格好いい土方さんでした。何度も無様に倒れそうになるんだけど、その度に自分の足で立ち上がって、この人なら千鶴ちゃんも北の最果てまでついて行って支えたくなるよなあ、と納得。あと(若干失礼ながら……)思ってたより歌が良かったです。殺陣も安定。
- 刀で斬った時に血飛沫の代わりに桜の花が飛ぶ場面があったりと、美しい演出も多かったのですが、特に息を飲んだのは、吸血のシーン。血を吸う前には禍々しい狂気を感じたのに、吸血後に暗転になった時、なんとも言えない悲しい気持ちになって、涙がこみ上げそうになった。それと、綱道さんが千鶴ちゃんを迎えに来たところ。取り囲む新選組の面々が殺気を放ちまくっており、これは怖い……と慄いた。
- 今回の千鶴ちゃんも歌唱力で聴かせてくれる。左之助篇の千鶴ちゃんは芯は強くても守ってあげたくなる感じだったけど、こちらは土方さんの支えで有り続けた小姓として、凛とした佇まい。篇ごとに性格が少しずつ違ってくるんだな、と改めて認識。2幕の後半くらいになっても着物のままで、洋装はまだかなーと思ってたら、そこでそう来るかー!あれは泣く……。
- 斎藤一が見違えるくらいに良くなってた。前回は殺陣上手いなー、くらいだったんだけど、殺陣はもちろん、歌も芝居も存在感が格段に増している。この一君で斎藤篇を観てみたい*2。
- 総司、平助、新八、左之助は初めて拝見した人たち。四人とも、特に総司と左之助は去年の左之助篇のイメージがかなり強く、自分の中で違和感が生じないかと危惧してたんですが、演出とメインになるキャラクターが違うからか、すんなり馴染みました。歌はもっと声が出るといいな、という人もいましたが、殺陣は皆さん良かった。あと総司のPAINT IN BLOODのとこが好き。平助の身軽なアクションも大健闘。
- 山崎さんの配役を聞いた時は意外な気がしたんだけど、観て納得。めっちゃ隠密、というより最早忍び。舞台袖から大きく跳んで現れ、客席通路へとハケていったり、舞台の上段から飛び降りまくりバク宙連発しまくりと、実のところここまで動ける方だとは知らなかったので、すごっっっ…と、ひたすら心で唸っておりました。
- 山南さんがさ……ほんと良かったです。特に見せ場である変若水の場面の妖しさ、最期の立ち回りが素晴らしく、歌唱力でもお芝居でも安定した、確かな実力を見せていただいた。
- 近藤さんが出て来るとなんだかほっとする。沖田篇からずっといらっしゃってくれているからかな。
- 鬼一族は流石の存在感と安定感。彼らがしっかり構えていることにより、新選組が「まがい物、寄せ集めの武士の集団」と評されているということの説得力が増してくる。風間千景の抜群の歌の上手さ、不知火の身軽な体術に、天霧の威圧感。それから父様の、静かな禍々しさと娘への愛情。いずれも見事でした。
- 1幕ラストとあともう1箇所、新選組と鬼一族が別の旋律を同時に歌うところにゾクゾクした。
- クライマックスでヤイサの音楽が一部流れて、ここだけなのかな?と思ったら、最後の最後で来た!薄ミュライブ1のバージョンに近いアレンジでした。薄ミュ歴は短い身ではありますが、やっぱり薄ミュと言えばこの曲だなあ、と嬉しくなりました。主に進行役だった大鳥さんが、後ろの方でノリノリで拳を振り上げてたのが微笑ましかった。
日替わりの挨拶は山南さんでした。昨年の薄ミュでも1回目は山南さんの回だったな(2回目は天霧&不知火)。前回はトレブロにまでしっかり山南さんが入ってたので、今回ももしかして……と購入したトレブロを開封したら、残念ながらいらっしゃいませんでした(笑)。と言いつつ、山崎さん和装、総司和装、ちー様洋装のいずれも麗しくて満足!
【観劇記録】4/28 1789 -バスティーユの恋人たち-
- 多少のネタバレあり
- 宝塚版、帝劇初演含めて1789好きだーってことしか言ってない感想
宝塚版を観たときに舞台全体の華やかさと楽曲のかっこよさに惚れ、当時滅多に買わなかった音源をiTunesで購入して聴き倒し。帝劇初演では宝塚版とはまた違った迫力に圧倒されまくって、こちらも自由バージョンと平等バージョンのCDを両方ともゲットして舞台での演奏順に編集して聴き倒し……なんてことをやってる程度には大好きなミュージカル。初演では観なかった方のキャストにしようと決めて、勢い込んでチケットをゲットしたはいいものの、流石に感動は薄れちゃうかな、と危惧していたんですが。
リアルの迫力と熱気を舐めておりました。
2年前は2階席で、今回は後ろの方とはいえ1階席だったというのもあるかもですが、どの場面も熱量がすさまじかった。複数回ある客席降りもしっかり見えたし。ぶっちゃけ座席があんまり良くなくて、開幕前は若干がっくり来ていたんですが、1幕終了時にはそんなことはほぼ忘れてしまうくらい、舞台にのめりこんでた。
この日観劇したキャストは写真の通り。
以下、箇条書きで。
- 小池さん演じる「陽」のロナンに対し、「陰」と評される加藤さんのロナンは、すごく情熱的でした。CDで聴いた印象では、もっとやさぐれてるかと思ってた。特にオランプとのシーンが良くて、恋する青年のひたむきさがまっすぐに出ていた。今更ながらマタ・ハリを見逃したのが悔やまれる……。
- 神田さんのオランプは、ご本人がインタビューで仰ってた通り、「かわいくて芯の強い」典型的なヒロインというよりは「働く等身大の女性」といった風情。めっちゃお仕事できそう(実際優秀な養育係だし)。良く通るお声と安定した歌唱が魅力。
- 正直に言うとちょっとだけ心配してた龍さんのアントワネットですが、2年ほど前まですぐ側の劇場で男役のトップに君臨していたとは思えないくらい*1、かわいらしくて無邪気、かつ王太子やオランプへの愛情も感じられて良かったです。2幕の「神様の裁き」もしっかり聴かせた。
- 三浦さんのロベスピエールは美しかった。平民とはいえ裕福な生まれのお坊ちゃん、というプロフィールに説得力あり。ダンスの足さばきが軽やか。
- ロナンの妹、ソレーヌがかっこいい。2幕の「世界を我が手に」がすごく好きで*2、いつも音源聴いてるだけでうおおおおと心で叫んでしまうんだけど、リアルで観て聴いて普通に泣いた。そしてカテコの挙動がかわいい。
- ソレーヌの恋人で革命家のダントンの美声に聴き惚れる。特にパレ・ロワイヤルのところは、アンサンブルの見事なアクロバットと相まって、すごくテンション上がるなー。
- 革命家といえばデムーランの歌唱も良い。婚約者のリュシルとのコンビが絵になる。
- フェルゼンはベルばら@宝塚の印象が強いので、身長もあってたくましく力強いフェルゼン、というのが新鮮に思えたのでした。演じる人の年齢を差し置いてもアントワネットより若そうだけど、史実では同い年なんだよね。まあ、ロナンも「ツバメ」呼ばわりしてたからいいか。
- 宝塚版で演じた美弥さん曰く「何にも成し遂げてない」のにイケイケなアルトワは、イヤな奴なはずなのに見ていてほんと楽しい。「私は神だ」のところではにやにやしてしまった。
- 秘密警察のラマールはやっぱり最高でした。舞踏会の場面でテントウムシのコスチュームでせりあがってくる時に「お待たせ~」っていきなりかましてきて、待ってました!と心で喝采。
- 出てくるだけで威圧感の塊なペイロールなんだけども、カテコでアントワネット様をエスコートしながらはけてくの反則だ素敵
物語自体は大団円のハッピーエンドではないけれども、ラストシーンには清々しさがあり、終演後にはやっぱり好きだなあ、と幸せな気持ちになったのでした。そのまま売店に向かってプログラムと一緒にシークレットチャームを購入したら、ロナンが来てくれた。こういう時に主人公が来ることがあまりないので嬉しい。
【観劇記録】4/10 カンパニー/BADDY(宝塚・月組)
・自分用メモに近い感想です
・ネタバレあり+所々認識の間違いがあるかもです……
(5/8 BADDYについて千秋楽ライビュ後の感想追記)
お芝居の『カンパニー -努力(レッスン)、情熱(パッション)、そして仲間たち(カンパニー)-』は現代の日本の話、ということもあって、正直なところあんまり期待してなかったんですが、バックステージものとして素直に面白かったです。宝塚的な華やかさはあんまりないし、リピートしたいかと聞かれたら考えてしまうんだけど、ストーリーに破綻がなく、涙が出そうになる場面もあったりして、良い意味で安心して観ることができた。
・珠城さんのサラリーマンスーツ姿が似合い過ぎ。実直真面目ないい人、という役どころがしっかりハマるなー
・ツンデレバレエダンサーな美弥さんありがとうございます無限大
・愛希さんの出番が少なめでちと残念。美波はヒロインのポジションではあっても、役としては紗良や由衣の方がインパクトがあるからなー。ダンスシーンは美しかった。
・今回の公演で退団の早乙女さん。役とご本人の状況を重ねて見てしまうところがあって、最後の方の紗良から美波への台詞でちょっと泣いた
・スポーツトレーナーの由衣はリアルに応援したくなる
・那由多は軽くてチャラい人かと思ってたら、等身大寄りの悩める青年だった
・蒼太@暁さんのバレエシーンが見事!
で。
『BADDY(バッディ)-悪党(ヤツ)は月からやって来る-』ですよ。
星逢一夜の切なさに涙しまくり、金色の砂漠はマイ嗜好ドストライクで、神々の土地では作品自体のパワーと目を見張る演出の数々に唸らされまくり、最近映像で見た月雲の皇子の世界観と台詞の美しさに感嘆しつつまた泣き……と、つまるところウエクミ作品ファン*1なんですが。
ショー作品に最初から最後までひと続きの明確なストーリーがあるのがそもそも極めて珍しく*2、しかもそのストーリーが、
「全面禁煙の平和な地球に乗り込んできたヘビースモーカーの大悪党・バッディ、対するは正義の捜査官・グッディ!」
……なんぞそれ!?
開幕してみたら海老のかぶり物や銀色フェイスの宇宙人、極め付けは大羽根背負ったトップスターがサングラスに咥えタバコという、予想の遥か斜め上を行くビジュアルと、賛否両論入り乱れる感想の嵐で、期待も不安もパツパツの状態で観劇。
うん。
何だこれ。
めっちゃ面白い。
しかし、口の中に入れてみたもののどう噛み砕けばいいのコレ??
無理やり他ジャンルで例えると
「同級生」「鉄道少女漫画」の後に「2週間のアバンチュール」の単行本*3を読んだ感じ、というか。
「箱の中」「檻の外」の直後にうっかり「鈍色の華*5」読んじゃったとか。
「魍魎の匣」と「どすこい。」とか。
それくらいの「えっ、どうしよう」感だと思っていただければと。
しかし、最初から最後まで型破りなのに、よくよく考えてみれば見事に宝塚的だったりもするような。禁煙の地球でタバコふかしまくり、性別問わず美人といちゃつき、食い逃げ、パスポート偽造、銀行強盗とやりたい放題だけどどこか憎めない悪党・バッディと、優等生のヒロイン・グッディのあれやこれやに、バッディの相棒の中性的な美人・スイートハートや、グッディの同僚の捜査官・ポッキーも絡んできて……と、ストーリーは王道の少女マンガ的でもある。中詰の盛り上がりも、ロケット(ラインダンス)も、大階段の男役群舞も、トップコンビのデュエットダンスもちゃんとあり、そのどれもが痺れるほどかっこいい。
先述の通り、キャラクターは皆魅力的。
バッディは悪党の割にどこか間が抜けていて、もっとオラオラしてるのかと思ったら、グッディの存在に心乱されたりするピュアなところも。
地球の捜査官・グッディは文句なしにキュートでかっこいい。
密かにグッディに想いを寄せるヘタレ捜査官のポッキーは、囮捜査でオマール海老になったり、えっ、それ?!という悪事に手を染めたりと予測不可能だし、公私共にバッディのパートナーで性別不詳の麗人、スイートハートのことが嫌いなオタクなんて果たしているのかしら??
そして、傷を負ったバッディの手下の一人と、その手当てをする地球の王女、という、こっちの方が宝塚の王道では?なカップルのストーリーも同時に進行していたりして。
衣装も良かったな。特に中詰の「悪いことがしたい いい子でいたい」のチーム・バッディの黒と、チーム・地球(ちなみにこの場面のがグッディの衣装で一番好み)の白のコントラストや、バッディ一味のえんじ色のスーツの色合いが美しかった。
ダンスシーンで特に印象的だったのは、ロケットとデュエットダンス。通常、軽やかで華やかなロケットの場面で、よりによって怒りの感情を爆発させる、なんて見たことない。しかも歌詞が「私怒ってる、生きてる」という内容でコーラスは女声のみ。どういう種類のものかまでは掴みきれなかったけども、自分の中で強くざわめくものがあったのは事実。いつもは幸福感あふれるはずのデュエットダンスまでもがストーリーの一部で、「許せないのに、嫌いなはずなのに、でも……!」というせめぎ合いが表現されるって何事なんだろう。ラストはいつも通りの大階段のフィナーレかと思いきやそんなはずなかったね。あのオチは笑った。
ここまでほぼ絶賛してるけど、一応人生の半分以上宝塚ファンをやってる身としては「面白いけど、でも宝塚でコレなの??」って思う気持ちが全くないかというとそうとも言い切れず、まだ整理しきれない部分がある。ただ、もう一回くらい観ないと自分の中での落とし所がわかんないかも……なんて考えてる時点で、既にこの超異色なんだかそうでもないんだかわかんないショーに何だかんだ魅せられてしまってるのかも知れない、とも思うのです。
(追記)
上のエントリー書いた以降もBADDYのファンアートにいいねをつけまくったり、感想漁りまくったり、「バディスイとスイポキのどっち派?」という某所でのアンケに「あふれる無敵感のバディスイかなー」などとノリノリで答えたりとなんだかんだBADDYが頭から離れず、前日に映画館の座席を滑り込みでゲットして千秋楽ライビュ見ました。
前回はゆっくり観る余裕のなかった部分を楽しみつつ、気づいたら「悪い事がしたい いい子でいたい」のとこでガチで泣いていた……。
未だにこのショーのことを消化しきれていない自分がいる*6のは確かなんですが。
キメるところはかっこいいんだけど、時に情けなくて憎めないバッディ、怒りに燃えているその時に嬉しくてたまらない!という表情を浮かべるグッディ、「浮気は恋のスパイスだけど、近頃悪事のスケールが小さすぎやしませんか?」なんて不機嫌も露わに歌う、妖しい魅力全開のスイ様、情けないを通り越してダメダメだけどだがそれがいいポッキー、台詞もなく静かに展開するクールと王女の恋、要所要所で登場する銀色フェイス宇宙人で銀行員のヤッティなどなど登場する人々のことや、エネルギーに満ち溢れた怒りのロケット、かっこよ過ぎる男役群舞、鬼気迫るデュエダン、やっぱりバッディはこうでなくては!なラスト等々が、今も頭に残って離れない、というのもまた同様に確かだったりするのです。
【雑記】ドルメンX実写ドラマ見たよ
※ほぼ自分用の覚書のようなもの
2話までリアタイ視聴後の感想を一言でいうと
「残念な部分がないと言えば嘘になるけど、限られまくった尺の中で大健闘してる」
かな。
去年の夏に、原作コミックスの1〜3巻の話がpixivで無料公開されてた時にほぼ一気読みして、直後に出た完結巻は発売日に書店で購入、既刊も全部買い集め、原作者発行の同人誌もコミティアで並んで入手*1、という勢いでハマったドルメンX。
男性アイドル、特に2.5次元ミュージカルがメインに描かれているので、音と動き有りで見たいな、アニメか舞台にならないかなー、と思っていたらまさかの実写化。Twitterで第一報知った時には自宅で朝から叫んだよガチで。
正直、最近では帝一の國や重版出来などの例外を除いて、漫画の実写化にはあまり良い印象がないです。けど、隊長とニイにあの人たちを起用してる*2時点で少なくとも「原作ぶち壊し、設定を借りただけの悪い意味で別物」にはならないんじゃないかということは窺えたのと、本編写真のいくつかがコミックスそのものだったので、期待してもいいかも?と。一方で、冒頭のアドライ*3は普通のアイドルのライブに変わってるっぽいし、実写オリジナルのキャラも出てくる模様で「まあ冒頭だけ出てくるアドライを再現するのは難しいだろうし、脇キャラがちょっと変わるくらいならよくあることだけど……」と、期待半分不安半分で放映日を迎えたのでした。
以下、とりとめもない感想のようなもの。
- 隊長が物理的にもさることながら概念的な意味でかわいい。一番アイドルの素質がある(byヨイ)って言葉に説得力あり。路上ライブでのダンスが他の面子より「頑張ってる感バリバリでちょっとだけいけてない」のがグッジョブ!
- ニイが素直にかわいい……ドロドロした面ももっとやってくれるといいな。セーラー服美少年楽しみにしてる!
- 写真を見た時点ではイチイとサイが明らかに隊長よりもお兄さんだったので、隊長筆頭に兄弟ってことで押し通してるはずでは?とクエスチョンマークが頭に浮かんでたんだけど、純粋にビジュアルと演技を見てみると個人的にはアリだなーと。1話のジャノンボーイでのイチイの苦悩も、2話のヘタレPなサイもリアルに感じられて良かった。
- ヨイがかわいい……今回のエントリそればっかだけど実際かわいいのでしょうがない。コミックスのあの髪型じゃないのに、存在そのものが顕現してる。「イケメンって、物理じゃなくて概念だから」のとこ好き。欲を言えば「現実になんかお金払ってない(血涙)」も聞きたかったぜ。
- 2話でちらっと出てきた修吾は、来週以降どう描かれるかが肝だな。宇宙人メンバーより物理的に結構歳上なのは、原作の展開を考えれば納得。
- 他の脇キャラたちはビジュアルや性別が結構違ってるけど、許容範囲
- 尺の都合上仕方ないのはわかるんだが、35歳先輩*4、亜実ちゃん、たなしー先輩、遠井君、誰か一人でも描かれてたら……と思わずにはいられない。キラキラのアイドルばっかりじゃないんだよ……!
- リキミュ、すなわち力士の貴公子ミュージカルは、しっかりやってくれそう、かな……?そりゃあの衣装見たら驚くよね*5
- まだ2話までの印象ですが、キャラクターたちのリアクションが良い意味でリアル(特にイチイ)。何気ない表情とか台詞回しとか。
- 路上ライブの1曲目のダンスの振りがコミックス通りで感動。楽しみだった「参上!!ドルメンX」は次回かー
思い出したらまた何か付け加えるかもです。かなり端折られてるし、その他の部分でも賛否両論はあるだろうけど、自分としては「悪くない」部類に入る実写化、というのが2話まで見ての感想。
そして、目下一番気になってるのは、リキミュの舞台シーンはどのくらいやってくれるんだ??ってこと。漫画だとそんなもんかと納得しちゃうけど、ビジュアル自体はかなりシュール*6だからなぁぁ……。
そして、この記事のために自宅の本の山から発掘できた分のコミックスをちらっと読み返したら「うおお……」とまた唸らされまくった。ドラマ見た方もそうでない方も、(男性アイドルや2.5次元舞台が好きな方なら特に)共感できる部分がきっとある、ので……原作コミックスも是非!!ドラマ化で重版されて手に入りやすいし、電子もあるよ!!
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【観劇記録】2/18 ポーの一族(宝塚・花組)
・原作を観劇直前に読んだ宝塚ファン*1の感想です
・ストーリー、演出のネタバレあり
はいからさんや日出処の天子、摩利と新吾等々、70〜80年代ごろの歴史・ファンタジーものの少女マンガが好きな割にポーの一族は最後まで読んだことがなくて*2、復刻版の全5巻を観劇の前日に読了しました。絵柄もお話もとても美しく、もっと時間をかけて何度も読み返したかったな、と思いつつ劇場へ。
まず確かなことは、エドガーという美しくも哀しいバンパネラの少年がまさにそこにいました。現花組トップ・明日海りおさんの本公演の舞台は、月組の準トップ時代から全て観ており、演技も歌も申し分ない実力の持ち主だということはわかっているんですが、今回はいつもと雰囲気が異なっており、バンパネラの少年を演じている明日海さん、じゃなくエドガーそのものだった。最初に公開されたビジュアルを目にした時点で「完璧に二次元、というか私はどこの次元の何を見ているんだろう……」と呆気に取られてたんだけど、そういう、第一印象から寸分の狂いもなし!な時の予感は基本的に当たるもので*3。妖しく美しいのはもちろんのこと、「長い時間を生き続ける、人ではない存在」としての孤独と哀しさに終始満ち溢れておりました。最初に銀橋で「哀しみのバンパネラ」を歌ったところで既に涙目になりかけて、2幕の中盤くらいの、アランに完全に正体を知られてしまった後の銀橋ソロでしっかり涙。
妹のメリーベルもまた、愛らしくも哀しい存在、かつマンガそのもののビジュアルで、特に義理の両親であるポーツネル男爵夫妻とエドガーの4人で港町を訪れる場面は、公式サイトの写真を見た時点で「写真ってことはこの兄妹は三次元の存在?意味わかんないんですが」と混乱しまくってたんですが、リアルで見ても意味わかんなかったです。エドガーともども、もはや神がかってた。
娘役トップの仙名さんが義理の母親のシーラ、というのは、ポジションだけ見ると意外な気もしますが*4、義母といっても外見は二十歳だし、人形めいた美しさと生々しい色っぽさがバランスよく同居していて、こちらもベストな配役でした。
アランは初見ではちょっと大人っぽ過ぎる?と思ったけど、少々高飛車で生意気、かつ繊細な内面を無理なく表現されていた。そしてエドガーと並んだときのビジュアルのパーフェクト具合ときたら私の貧弱な語彙では語れる気がしないので、公式サイト等々の写真を見てください百聞は一見にしかず*5。
ポーツネル男爵も、いかにも貴族の紳士という品格があって良かったです。それと、超絶スタイル抜群のクリフォード先生と、笑顔の眩しいバイク・ブラウン(と、4世)の出番が思ったより多くて嬉しい。マーゴットもかわいかったな。
舞台全体の美しさについては全く心配してなかったけども、冒頭でバンパネラの一族が揃うところは想像の遥か上を行っており、口なんて当然半開きになりましたよね……。一幕が終わった後、「なにこれすごいいみわかんないすごい」って口パクで声に出さずに思わずつぶやいてたものね。
お話の方は、「ポーの一族」のストーリーをメインとして、マルグリット・ヘッセンやドン・マーシャルたちを語り手に据え、その前後のエピソードを語らせていく、という形で進行。舞台オリジナルの場面を盛り込むなど、多少大胆なアレンジやカットも施しつつ、限られた時間のなかでうまくまとめられているのではないかなと。さすがにオズワルドとユーシスのくだりが紗幕の向こう側でさらっと語られるだけで終わっちゃったのは「そんなにあっさり?」と驚いたけど。あと降霊会のとこがずいぶん長かったような。
他にも、展開や演出に多少のツッコミどころはあるんですが*6、見た目にお話に、全体的にすごく満足できた舞台でした。
チケットは全席完売していますが当日券はあるので、気になる人は是非。早朝から並ぶ必要はあるけど、その価値は十二分にあるっていうかむしろ安いから!あと千秋楽のライビュもあるから!
それから、今回は公演プログラムがいつにもまして豪華な仕様なのに、お値段据え置きの1000円なので、こちらの購入も強くおすすめいたします。