3次元別館。

主に観劇の感想です。2.5舞台が多めでその他のミュージカルやストレートプレイも。

【観劇記録】6/5,17 舞台『刀剣乱舞』義伝 暁の独眼竜(刀ステ)(その1)

(前置き)ライビュ、配信なども含めてこれから観劇予定の方はネタバレなしで観ることを強く強くお勧めします!!(ので、以下の感想も閉じるかブラウザバック推奨です)

 

以下、観劇後の感想。

  • いつも以上にまとまりのない感想です
  • 呼称が統一されてないのは仕様です……
  • ネタバレ普通にあり
  • 初見の簡易版感想はこちら(バレ少なめ…にしたつもり)

 

初回は展開を追うのでいっぱいいっぱいだったんですが、2回目は展開がわかっていたので、ある程度落ち着いて観ることができました。新しく気づいたところがあったり、台詞のタイミングとかの記憶違い、どういう訳か記憶から抜け落ちていたところもあったな……。

などと書きつつ、今回もエンディングの直前あたりで気づいたら口が半開き気味になってたわ、2幕始まる前にちゃんと目薬さしたのにやっぱりコンタクトが乾き気味になってたわ、終演後に思い返しながらメモとかしつつ、気が付いたら頬が緩み気味になってたわで、どこが落ち着いて観てたんだよって感じでした、ね……。

 

以下、シーンごとの雑感(多少速報メモと被ってます)。

  • 2回目は3階席だったので、よりはっきりと舞台の全景を見ることができました。オープニングの後の方は円を描く動きだったりしたんだな。記憶がどんどん上書きされまくってて忘れてたんですが、オープニング最初の、一人ひとりステージ中央に進み出て走ってくところ、背後のスクリーンに紋がパッと表示されるの格好いい!
  • 顕現の名乗りを上げるところ、BGMが新曲でした。前回は華やかな幕開けの音楽だったけれど、今回は2作目らしく、華々しくもどこか波乱や試練を予感させる曲調。貞ちゃんは台詞の途中で頭の後ろで手を組んでたり、歌仙は左胸の花に右手を添えてから顔の横に持っていったりと、動きに一ひねりあって良かった。
  • BGMは7~8割方くらいは(おそらく)新しい曲でした
  • 今回は2階建て構造の大きな階段を使ったステージではないけれど、殺陣のシーンは八百屋舞台が中心。平地でも十分ハードだろうに、地面が斜めのところでのあの動きはやっぱり凄いなあ……。
  • 映像を使った演出も増えてました。前回に引き続き「~年××の戦い」「出陣の儀」みたいに場面を示す文字が出てくるところはかっこよくて好きだし、小夜の逸話の影絵のところも綺麗。なんだけど、2幕の鶴丸のアレは内心でちょっと苦笑してしまった*1
  • 派手さと息もつかせぬ勢いで魅せまくった本能寺に対し、独眼竜では、個々の内面の葛藤や刀剣男士どうしの関わりの描写が増えてた。人間どうし、人間と刀剣男士のそれも充実。そして、それぞれがバラバラに進行するのではなく、ちゃんと関連しながら進んでいく。伊達政宗の「見果てぬ夢」に対応するのが、小夜や歌仙(と、もしかすると大倶利伽羅鶴丸も)の抱えているもの(=刀として背負っている各々の歴史)、になるのかな。刀剣男士八振それぞれに加えて、伊達政宗片倉小十郎細川忠興の関係性、登場する刀と人のすべてにスポットが当たり、最初から最後まで内容ぎっしり。迫力の殺陣も健在で、クライマックスにはまさかの展開もあり……初見では情報過多で脳内がパンクしそうでした……。そりゃ記憶もところどころ抜け落ちるってもんだ……。

【主に初登場の刀について】

  • みっちゃん貞ちゃんコンビが可愛過ぎ!ゲーム内での畑当番や、(途中までしか見てないけども)7面回想では思ってたより関係性があっさりしてたので、畑で手を取り合ってくるくる回りながら再会を喜びあったり、冒頭の殺陣で貞ちゃんが光忠の背に手を置いた体勢で敵に回し蹴り食らわせたり、戦闘シーンや畑当番で互いの手首を軽く合わせる仕草をしてたり、終始仲良しで幸せ。こういうのが見たかったの!それと、1回目観劇後にTwitterで知り、2回目で把握したんですが、ラーメン光忠でのずんだ餅のくだりのやり取り(台詞のないところ)が微笑まし過ぎる……。
  • 歌仙は花丸の影響か、おっとりしていて優雅なお兄さんのイメージがあったんだけども、そう言えばゲームでは割と武闘派だよなー、なんてことを思い出させてくれた、力強い歌仙でした。と言ってもただ力押しなのではなく、二人称が「貴殿」だったりするように、台詞や立ち居振る舞いから品格が漂う、文武両道の刀。更に大倶利伽羅とケンカしたり、小夜にそっけなくされてがっくり来たりといったちょっと情けない部分も含めて、いろいろな面を見せてくれた。細川忠興が歌仙に対して、夜空の星々の雅さ(だったかな?)を説く場面があるけれど、まさにそんな風情。パンフレットによると「嫌われ者にならないように」と言われたとか。確かに一歩間違えればただの嫌味な奴になっちゃうよね。その辺りの加減が見事でした。殺陣は一撃が重く鋭い印象。
  • 倶利伽羅は出てきたときから大倶利伽羅だった……通常、マンガやゲームが原作の作品の舞台を観るときは、自分の意識の中で2次元と3次元のすり合せが必要になってくるんだけど*2、伽羅ちゃんはその必要が全くなかったので、自分の中のイメージど真ん中だったんだろうな。速報メモにも書いたように、不器用というより本心から慣れあう気ナシの一匹竜王。敵と戦うときも、基本的にはひとりでさくっと無駄なく殺ってくる感じ。でも、困った様子の小夜の話にはちゃんと耳を傾けるし、周りの刀たちのことを拒絶してるとかでなく、良くも悪くも直球なんだなー、と(光忠には素直さが足りないって言われてたけども)。鶴丸のことは「鶴丸」呼びなんだ、ふふふ。
  • 貞ちゃんはコンビでも単体でも終始元気でかわいかった。殺陣でも通常の場面でもくるくるとよく動いて、その場にいるだけでぱっと周りが明るくなる。役者さんが「遊園地=エンターテインメントとしてお客さんを楽しませる殺陣」といってるように、戦闘でもコミカルな動きが多い。畑当番で歌仙にミミズつきつけてみたり、遠足ではしゃいだりと幼い部分を見せつつも、単なる「お子様」じゃなくてどこか大人っぽさがあった。光忠や鶴丸がそうなように、周りの刀の名前をよく呼ぶんだよね。大倶利伽羅→「伽羅」、鶴丸→「鶴さん」はわかるとして、歌仙→「之の字」なのか(笑)真剣必殺は立ち絵ではちらっとしか肌見せてないけど、結構器用に派手に衣装がボロボロになってたのね……。

【日替わりネタとか】

  • 「Mitsutada Cooking」のところ、17日ソワレでは、調理台の下の餅を見つけられないまんばちゃん(助手)が、変なイントネーションで「無~~い」って返事してて笑った。ノリノリじゃん!割烹着は無事脱げる時と脱げず終いの時がある模様?
  • 全体の時間が長くなり、日常シーンも増えてる。本能寺の軍議みたいな大がかりなのじゃないけど、今回もちょいちょい日替わり有。「光忠が畑当番で話しかける野菜」「大倶利伽羅に差し出す朝ごはんのおにぎりの具」「貞ちゃんの遠足ソング」あたりかな?全てみっちゃん貞ちゃんのどっちかor両方。前の2つは、自分の観た回はそれぞれ「とうもろこし君(両日とも)」「シーフードおにぎり/ローストビーフおにぎり*3」でした。
  • 遠足ソング。5日は「(貞)(なんかノってる)」「(光)遠足どこ行っちゃったのー」、17日ソワレでは「(貞)遠足ー、遠足ー(集団行動楽しいーみたいなの)」「(光)バラバラだけどねー」みたいな感じだった*4

 長くなってきたので区切ります(汗)

 

続きはこちら。

raimu-sakura.hatenablog.com

*1:演じている役者さんがそのまま映像で大写しになる演出はよく見るけど、シリアスな場面でやられるとなんか笑っちゃう……^^;

*2:だいたいオープニングやそれに相当する場面が始まる頃までに完了する

*3:このくらいならまだ想像つかなくはないけど他の日のステーキとかウニクリームパスタ風とかカニグラタンとかどんなんだ一体

*4:うろ覚えですすみません

【観劇記録・速報メモ】舞台『刀剣乱舞』義伝 暁の独眼竜(刀ステ)

マイ初日でした。
ナルステの感想まだ書けてないのですが……こちらもいろいろ薄れないうちにメモ。

いっぱいいっぱいで考えが追いつかない&ネタバレを極力避けたいので、もう少しちゃんとした感想は、東京公演の折り返しを過ぎた以降頃にアップしようかと思っています……。

 

(注)いろいろなところで言われておりますが、これから観劇予定の方は一切ネタバレしないで観ることを強くお勧めします!!ので、このメモも回避推奨です)

 

 

※以下、ストーリーに関わる致命的なバレは避けていますが、バレに当たると思われた部分は薄い文字色で書いてます

  • 本能寺には怒涛のような勢いと派手さがあったけれど、独眼竜では個々の内面の葛藤や刀剣男士どうしの関わりの描写が増えてる。日常のコミカルな場面も多め。おそらく初出の互いの呼び名もいくつか。殺陣は後半に集中。
  • とは言え殺陣はやっぱりド迫力。目が足りない。。。
  • 人間どうし、人間と刀剣の絡みも充実
  • 今回も「お小夜が冷たい……」など、ゲーム中の台詞がいろいろなシーンでさりげなく出てくるのが嬉しい
  • 尺が長くなったこともあり、エピソードメガ盛りで情報量が多すぎていっぱいいっぱい……何から書いたらよいのやら&何を書いてもネタバレになる気がする……
  • オープニング、エンディングは新曲。今回は舞台上に大きな階段がないからか、ダンスっぽい振りが増えてる
  • ログボは貞ちゃんでした(6/5)。キャストによる終演アナウンスはなかったような
  • 日替わりは本能寺の軍議ほど大々的ではないものの、ちょいちょいある模様(初見ではどれがそうなのかわかんなかった…朝ご飯のメニューとか遠足ソングあたりがそうっぽいのかな?)
  • 前作よりも映像を使う場面が多かったかと。客席降りも複数回あった

(以下刀剣男士ごとの雑感をざっくりと)

  • 三日月さんが今回もクソじじいかつ謎めいた言動多し。「強くあること」にこだわるのは何か理由があるんだろうか。ラスト付近で雅。
  • まんばちゃんは悩みつつもちょっと、いや結構成長。殺陣がとても綺麗。
  • 料理刀光忠。基本ムードメーカーだけど、血なまぐさい刀名の由来をああもさらっと語るのはある意味怖いよなあ……と、ある刀たちとの対比で思ったのでした。刀としてはむしろ自然なのかもだけど
  • 貞ちゃんが超元気で終始かわいい。みっちゃんととっても仲良し、こういうの見たかった! 倶利伽羅と歌仙の呼び方……!
  • 倶利伽羅が終始すごく一匹竜王。感想漁ってたら素直になれないんじゃなく確信犯っていうのを見た。なんか納得。個人的にイメージど真ん中で出て来た時から伽羅ちゃんだった
  • ツンツンツンデレ、文系を名乗りつつ力押しでもある部分がよく出てた歌仙。だからこそ雅であることにこだわるのかも。二人称が「貴殿」なのが良いね
  • 小夜ちゃんがさあもう(倒)
  • 鶴丸あああああああああああああ(薄い色にした意味なし)

 

まだ自分の中で整理しきれてない部分が多く、パンフレットや他の方の感想・考察とかも読みつつ、まとめてみようと思います(まとめきれる気は既にしてない)。

で、結局どうだったの?って感じになってますが……最推しの伊達組が四振揃ってることが幸せ過ぎたし、おじいちゃんはやっぱりガチ付喪神だしまんばちゃんの姿にしみじみしつつ歌仙さんはかっこかわいいし雅だし小夜ちゃんは殺陣すごいのにかわい過ぎるし人間組もしっかりドラマがあって、コンタクトが乾き気味になるくらい瞬きも忘れて集中してしまい、終演直後は「やっぱ……いろいろ凄かったわ刀ステ……」と魂抜かれ気味になっていたのでした。

あーーーー、思い切りいろいろ書きまくりたい……!

 

(追記)もう少し詳細な感想はこちら(↓)

raimu-sakura.hatenablog.com

【観劇記録・速報メモ】ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」~暁の調べ~(ナルステ)

ナルステ観劇して来ました。

忘れないうちにメモ。ちゃんとした感想は後ほどアップ予定。

 

  • 演劇ともミュージカルとも違ったステージ。それでライブ・スペクタクルなのか
  • 映像と照明駆使しまくり、これだけ映像をたくさん、しかも効果的に使ってる舞台は初めてかも
  • オープニングがかっこいい!全員が順に出てきて揃うと圧巻
  • かなり歌う。普段ミュージカルに出演されてる方もおり、歌唱は総じてレベル高。及第点かなーという人も声はしっかり出てた
  • 和太鼓と二胡のライブ演奏というのも珍しいかも
  • 特に印象的だったのはサスケ、イタチ、大蛇丸かな。
  • てか後半はほぼSASUKEだった ^^;
  • と言いつつナルトとサクラちゃんもかわいい。サイはかわいいというより美しかった。
  • カテコの歌のところで綱手大蛇丸がさらっと並んでてちょっと嬉しかった♪
  • 同じくカテコのサスケ&イタチの兄弟ハグに沸きまくる会場
  • 日替わり?のあいさつはカブト。長くなり過ぎて舞台袖からサイが出てきて「時間押してる、巻いて!」みたいなポーズ(笑)

 

本当にただのメモだ(汗)

【観劇記録】2017/04/27,29 ミュージカル『薄桜鬼』原田左之助 篇(薄ミュ)

  • 語彙が不足気味の感想です

薄桜鬼は数年前にPSP版をプレイして、沖田ルートと斎藤ルートのみエンディングまで見たものの、他にやることができてしまったりで放置してしまって(ストーリー自体は面白かったしスチルはとにかく美しいし沖田ルートはちょっと泣いたりもした)たんですが。

今年のお正月のスカパー無料放送日に薄ミュの沖田篇が放映されるということで、そう言えば今年の春に新作やるんだっけ?刀ステに出てた役者さんも過去作品に結構出てるみたいだし、演出も生執事の人だし見てみよう→視聴後公式ツイッター即フォロー、沖田篇のライブCDも購入してヤイサ*1を聴き倒す→チケット確保後、数年ぶりにPSPを引っ張り出して左之助ルートをプレイ→満を持しての観劇でした。

初めて訪れたAiiA2.5、どんなにアレなのかと思ってたら覚悟していたほどのストレスは感じず。建物は見事なまでに仮設だし、音響は最初酷いと思ったけど、慣れてくればそんなに気にならないし、照明は普通にきれい。後方+センター寄りの席は見やすかった。椅子もK伊國屋ホールとかYーロスペースに比べたら快適だよね(いろいろ思い出しつつ)。ただ、自分の時はなかったものの、外の音が観劇中に聞こえる、というのは何とかしてほしいね……。

念のため多く申し込んでおいたチケットが両方とも取れていたので、今回は27日、29日のソワレの2回観劇。同じ演目を2回観ることは(実は)あまりないんですが、1回目に見逃したポイントや演技の変化もわかるので良いですね(財布は軽くなるけど……)

 

で、迎えたマイ初日。

目まぐるしい。目が足りない。

そして目が幸せ。

とにかく展開が速い。原作ゲームの1ルートが結構長い上に、メイン以外の隊士のエピソードもふんだんに盛り込まれており、加えて殺陣とダンス(っぽい殺陣)の連続だから息つく暇がない。殺陣も1対1のはともかく、乱戦だと複数の場所で隊士と敵やら鬼やらが刃を交えてるから、左之助見たいけど平助も見たいしあっちでは新八が戦ってるしこっちでは総司も……と、目が彷徨いっぱなし。ストーリーは少々詰め込み過ぎでひとつひとつのエピソードが薄まってしまった感があるし、歌は正直なところ千鶴ちゃん(と、風間千景も)以外は、比較的良い人でも「悪くはないけど……伸びしろはあるんじゃないかな」だったという点はありました。

などと言いつつ、美しいデザインの和装や軍服を翻しながらの刀に槍に銃、体術での戦闘は見どころしかなく、二次元の世界から登場キャラクターたちが束の間顕現したようで*2、ほぼすべてのシーンに終始打ち抜かれっぱなしでした。冒頭、千鶴が新選組にやって来て隊士たちがほぼ勢ぞろいしたところで「うわー薄桜鬼だ……!」って息を呑んだよね(この場面の千鶴ちゃんのソロの曲すごく好き)。なんなんだろう観終わった後のこの多幸感は……。今もまだ気を抜くとヤイサと左之助のテーマと千鶴ちゃんのテーマと左之助VS不知火の曲が頭を流れ出すというやられよう。

 

今回の主人公の左之助

めちゃくちゃ格好よかったです。長身を活かした槍さばきがすごく映えて決まってた。左之助はよくも悪くも昔ながらの「漢」で、女は男に守られているもの、って価値観は今どきどうよ?とゲームやってる間も思ってたんだけど、このルートはそういう話だと割り切ってみると*3、前半は隊士としての任務、後半は惚れた女のために戦うところが格好良すぎて痺れた。初見では千鶴ちゃんとそういうことになる場面で少々遠慮がちになっちゃってる気がしたものの、観劇2回目では抱き寄せる仕草が優しく愛おしげになってて、おおっ、と内心で拍手。ラストシーンで赤ん坊抱えておろおろしてるところもしっかりスチル通りで、微笑ましくなった。

ヒロインの千鶴ちゃんがまた、もんのすごく可愛くて。かなり小柄な方なのかな?左之助との身長差がえらいことになってた。歌声がとても綺麗だった上に声量もあったので、もっと歌を聴きたかったな。内に秘めた芯の強さと気丈さと、何より「左之助さん大好き!」が全身から溢れてて、カテコでも千鶴ちゃんのままだったりして、それはもう可愛いかった……!

敵と言うより好敵手の不知火もめちゃくちゃ格好よかったです。愉しげに踊っているかのような体術が見ていて気持ち良く、出てくる度に「来た来た!」とわくわくしてしまった。登場人物の中でも特に、あれ?私舞台見てるんだよね?と戸惑いそうになってしまったくらい、パッと見も一挙手一投足も不知火そのものでした。

隊士も一人ひとり殺陣が違ってて、土方さんは落ち着きがあって一撃が重そう。総司は舞うように軽くて華麗。一君は地に足のついた正確無比そうな剣捌き。平助は足技も駆使した身軽な動きで魅せ、新八は派手で豪快。山崎さんは静かな動きで確実に敵をしとめそうで、山南さんは殺気みなぎる達人の剣。近藤さんは豪放で力強い、といったところかな。

新選組だと個人的には、特に総司が台詞回しも立ち居振る舞いもすごく総司だったのと、殺陣が美しかった(まんばちゃんの時はそこまで強く意識しなかったんだけど、考えてみれば布被っててあの動きだった訳だし)のがツボった。

三馬鹿も平助はかわいいし新八はアニキだし、いざって時にはどちらも頼もしいしで、左之助と三人揃ってる場面が前半しかないのが残念だったくらい。原作のストーリー上しょうがないんだけども。最後の方、別れの場面の新八も、寂しさを漂わせつつの潔さが格好良かったな(なんかそればっかだけど格好良かったんだもの実際……)。

そして風間千景。ものすごくプライドが高く、人間見下しまくってそうなところがとってもちー様でした。殺陣も堂々としてて余裕綽々。宗三やドルイットの時とはうって変っての低い声。黎明録の土方さんを演じてたとのことだけど、どんな風だったんだろう。演じる役の幅広さに驚く。

天霧は淡々とした話し方の中に只者じゃないオーラがみなぎってたし、綱道さんも今回は堂に入った悪役で……冒頭にも書いた通り、最初から最後まで薄桜鬼の世界が舞台上にありました。

 

27日のカテコのあいさつでは、2年ぶりの薄ミュ出演となった山南さんの「ただいま」に対し、客席が「お帰り」と返していて、「薄桜鬼」というゲーム作品の舞台化であると同時に、「薄ミュ」としても長く愛されているシリーズだということを実感。取り敢えずは映像配信で過去作品を鑑賞しつつ、今回のライブ音源CDが出たらまた買っちゃいそうだなあ……。

*1:メインテーマ曲の「ヤイサ!ヤイサ!ヤイサ!」。割とそのまんま

*2:2.5舞台観た後は毎回そんなこと言ってる気がするけど、実際に目の当りにするとやっぱり感動する

*3:そういう価値観の昔のミュージカルの類、結構観てるからね……

【観劇記録】2017/04/21 破壊ランナー

  • とりとめのない感想。少々のネタバレを含みます

 

1999年の惑星ピスタチオ版を劇場で観ており(93年版?も映像で見た)、今回の上演を知ったとき「おおっ!」と叫んだくらい楽しみにしていた演目。いろいろな意味で暑苦しい展開と迫力のレースシーン、コテコテのギャグが記憶に残っていました。 

それだけに、(力量は十分にある役者さんたちだとわかっていても)正直なところ、期待ほどじゃなかったらどうしよう、と若干心配もあったんですが……全くの杞憂でした。

強く感じたのは、役者全員から発される熱気と一体感。どのキャラクターも強い個性を放ちながら、ひとりひとりがバラバラの方を向いているのではなく、一丸となって作品を創り上げる!魅せてやる!という気迫がありました。レースシーンも圧巻で、二十名のうち、ひとり欠けてもあの舞台は成り立たないんじゃないだろうか。

 

豹二郎ダイアモンドは、若くしてあっという間に頂点に「上り詰めてしまった」天才ランナー、という印象を受けました。腹筋善之介さんの豹二郎からは、ランナーとしてはベテランの領域に達している落ち着きも感じられたけれど、今回の池田さんはよりがむしゃらで、血の気の多い若者らしい雰囲気*1。とはいえ決して軽くはなく、地にしっかり足のついた重さもあり(それだけにカテコでの跳躍の高さにびっくりした)、レースでの走りは力強い。演じる方の実年齢によるところも大きいと思いますが、どっちが良い、というのではなく、どちらにもそれぞれの良さがありました。

コーチのリコとの関係は、師匠と教え子のようなものなのかな?砂漠で2人が会話するところ、数少ない静かな場面で、豹二郎の年相応の幼さや弱さも見えて良いなあと思った(ぶっちゃけ萌えたんだけれども、関係性やつながりの強さがちょっとわかりづらかったのは残念。リコのポジションはもともとはリンコという女性で、恋人だったからね。

そのリコは、兄貴というか師というか、風貌もあいまってどこか浮世離れした人でした。通常時の体の動きが極端に少なかった意図は……現役を退いていることの強調?走るときのフォームが流れるようで綺麗。

敵役の筆頭、黒川フランクはあんな衣装で出てくるとは思わんかったわ……!パンチパーマ―にがっつりメイク、胸元ほぼ全開のピタピタコスチュームにおネエ言葉で登場シーンからインパクト十分、一気に持っていかれました。明らかに様子のおかしい人なんだけどやり過ぎても変だし、おとなしいとつまらない、そのあたりのバランスは絶妙。銅橋@ペダステのときも思ったけど、独特の華がある役者さんですね。

あると知ってとても楽しみにしていた中央郵便局のくだりは5~6回リピートで「いい加減しつこいわ!」と思いつつ笑わせていただきました。人間が音速で走る時代なのに郵便物に人の手で「スタンプぺったん」してるのかというツッコミはさておき、最終的にはスパイクまでとてもエエ声+超キレキレのスタンプぺったん披露するし(会場手拍子+拍手)!ピスタチオの看板役者のひとりだった保村さんも黒川フランクの上役、タイベリアス提督役で出演されていて、久々に拝見できたな。

上記以外だと個人的には、走りの異質さが際立っていたライデン、身体の動かし方が抜群に美しかったピラニア、かつてのレーサーの哀愁と貫録の漂っていたポドルスキー監督、何となくおかしみのあるイグレシアス皇子、軽快なしゃべりのアナウンサーロボットC3-9000(と生意気な中学生)あたりが特に印象的でした(ここ最近、生の舞台で見たことのある人に目が行きがちではあったけど、それを差し引いても)。

ピスタチオ版とはキャラクターの名前や設定、性別が変わっていたり*2、一部の場面(筋肉とお師匠様と死汚理とか)がカットされているなど気づいただけでもちょいちょい違いはありますが、そもそも演じる人が全く違うので、それほど気にはならなかった。

公式のあらすじはシリアスっぽいけれど、笑いの巻き起こる場面はそこここにあり。ザ・古典的熱血少年漫画なストーリーで迫力は満点、全体に漂う独特の暑苦しさと濃さはハマればクセになる……という訳で終演後にリピーターズチケットを購入してしまったので、次回の観劇で気づいたことや心境の変化があれば、また追記するかも。

東京・六本木にて4月30日まで公演中、まだプレイガイドでもチケット購入できるし(4月24日現在)、当日券もあるようなので、ペダステや役者さんのファンの方も、演劇ファンの方も、気になってるなら観ておいて損はない、いや、むしろ観ないと損するかもよ!と申し上げておきます(実はこれが一番言いたかった)。

 

(追記)

4/30(日)、千秋楽を観劇しました。初回は前から10番目以内の席、2度目は結構後ろの方の席だったんですが、遠くからの方がより役者ひとりひとりの個性が際立って感じられた。だからと言って一体感が損なわれていた訳でもなく。豹二郎のマイムが微妙に増えてたり、黒川フランクとスパイクが主に登場シーンのあたりで「ちょ、そこまでやるか……(^^;)」ってレベルでいろいろ弾けまくってたりしつつも、レースの迫力はやっぱり凄まじかった。DVDも出るそうなので、見逃した方は是非……!

*1:プロフィールを見たら本当に豹二郎のような経歴のお方だった

*2:リコの他にカルリシオも、性格はそのままのカルリシアという女性ランナーでした

【観劇記録】2016/12 舞台『刀剣乱舞』虚伝 燃ゆる本能寺~再演~(刀ステ)

 

  • 普通にネタバレ有り
  • ほぼ当時のSNS日記からのコピペです

 

5月20日の刀ステ初演ライビュから約7か月。
遂に念願叶って「虚伝 燃ゆる本能寺」再演を天王洲 銀河劇場にて観劇して参りました。

ライビュの後、パンフ通販しただけじゃ飽き足らず、コラボカフェ予約して三日月カレーと鶴丸マリブミルクをいただき、渋谷パルコ前のキャストイベントを通行人のフリしてガン見し、Blu-rayまで購入する勢いで沼に垂直ダイビング、ダメ元で申し込んだ先行抽選の当選のメールを見た時は、変な声出たもんなあ……。

でもって、1階席で前から13番目ってことは結構近くない?と浮き足立ってはいたものの、予想以上に舞台が近くてびっくりした。日頃観劇は2階より上の席がほとんどだから、1階席ってだけでもどきどきなのにオペラグラスいらないじゃん!果たして生きて帰れるかしら……とそわそわしつつ、ロビーで時間を潰しながら(いつもは割とぎりぎり到着なんだけど気がはやり過ぎて30分前に着いてた)、開演を待ったのでありました。舞台に例の傘が全員分、横一列に並んでて既にテンション上がりまくり。

 

で終演後。

凄かった何あれ凄い凄まじい何なのあれ凄過ぎて意味わかんない凄い(エンドレス)

帰りの電車の中から、翌日仕事中も気を抜くと脳内にてエンディングテーマがエンドレス再生されておりました……。

円盤2回見た(普通のと全景の1回ずつ)から、初演ほどの衝撃はないだろうなー、なんて思ってた私がこしあんよりも甘かった。
むしろ先にいろいろ見といて良かったかも知んない。あんなん何の予備知識もなくぶっつけで観たら循環器と呼吸器に異常を来すわ!!!


《以下、演出の変更面などのネタバレ全開》

全体の感想は初演ライビュの時に書いてるので、リアル観劇してわかったことや、今回変わってた点を中心に。

※一応時系列に沿ってますがたまに飛びます
※まとまってません……

 

・舞台の上の方が思ってた以上に斜め。階段も狭そうだし、あんな所で立ち回り演じたり、階段半分くらい登った所から飛び降りたり回し蹴り食らわせたりしてたのか(震)

・タイトルコールで「虚伝 燃ゆる本能寺」って入ったね!
・生で見ると、戦闘シーンの迫力に映像とはゼロ四桁以上の差で圧倒される。特におじいちゃんの殺陣の美しさ(身体のブレの少ない不思議な、そして綺麗な動き)と、小夜ちゃんのアクションのキレが冴え渡ってた。

・事前に初日バレ見てなかったら気づかなかったかもだけど、上手と下手が初演とは逆なんだね。面白い!

・音響とか、舞台上や客席降りのキャストの足音とか、震動が思いの外すごかった。

・ログイン&お見送りヴォイスは不動、伝令は次郎ちゃんでした。お見送りでは「へし切と薬研はどうでもいいけど俺の活躍を~」的な事を言ってた。宗三のことは認めてるらしい。

・例の馬がグレードアップしていた。具体的には後ろ足がついて長谷部がどつかれておった(合掌)

・不動がひとりあっち向いてホイしてたり*1、威嚇する不動に薬研が鍬で応戦してたり、小夜ちゃんが鶴丸に持ち上げられてたり。短刀かわゆい。

・鯰尾の「過去なんか振り返ってやりませんよ!」→忍び寄る鶴丸の所で、にっこり笑って「鯰尾、後ろ」ってネタばらしするいち兄がなんかかわいい(でも結局鶴に脅かされる鯰)

・キャスト交代の鶴丸と江雪。鶴丸は年長者感は漂わせつつよりワイルドさが増して、好戦的。慰労会のとこでまんばに膝カックン→そのまま袖に引きずって行こうとしたりと、びっくりじじいも加速。江雪兄様は重厚さに加えて静けさがあって、名前の通り雪みたい。どちらも前キャストとの違いはありつつも、全く違和感なく溶け込んでて良かった、てか二代目も好き!

・軍議はたい焼き。「粒あん派か、こしあん派か」で決を取ろうとする三日月→山姥切以外皆粒あん派。「(いち兄)小豆の皮には栄養がある」「(まんば)粒あんに栄養を求めるな!」「一本取られましたな」とか言ってたら長谷部が「おはぎも粒があるのが美味しい」とか何とか自らおはぎネタをぶっ込んで来て会場爆笑
→「つぶつぶなら数の子でもいいだろう!」言い募る山姥切に「つぶつぶはいいぞ」「粒あんの勝ちという事で」とか三日月が返しつつ、オチは「(光忠)それ、カスタードなんだ。こっちのはチーズ」(三日月爺ちゃん軽くショック)でした。レポを検索してみるとこの日のは比較的おとなしめだったようだけど、微妙な間や空気だけで十二分におかしかったから!あー笑った。

・上手側通路に近い席だったので、客席を使った演出もばっちり見えた。入り口の方から誰か入って来て、遅れて来た人かなと思ったら蘭丸だった(笑)出陣の時は紅組メンバーが舞台から降りて来て至近距離を駆けて行ったんですが、衝撃的過ぎて先頭のおじいちゃんの姿しか覚えてない…… 。極め付け、左文字兄弟の後半の殺陣で小夜ちゃんが上手側通路から登場、すぐ近くを駆けて行ってそのまま舞台上で戦闘に突入したのは痺れた(江雪兄様は下手から)!後ろの席の人が小さく「小夜ちゃん!」て呟いてたのが印象的。

・三日月&山姥切の月を見ながら語るところ、リアタイで見たばっかの花丸最終回の酔っ払いローリングまんばちゃんが浮かびかけたのは内緒(そして早速キャストさんがTwitterに再現写真アップしてて吹いた)

・紅白戦で不動が石を投げる→いち兄?の刀に当たった後長谷部を直撃、って初演にもあったっけか?

・見所しかない本能寺の変。かっこいい&うつくしい以外の単語がログアウト。

・ライビュでは見えなかった、信長自刃の瞬間の織田組、特に不動の表情がやるせない。こんな顔してたんだなあ。

・宗三が明智光秀を庇いながら敵陣を正面突破するのはなかったよね??

・織田組の真剣必殺で心拍数上昇。こんなん内容知らずにいきなり生で見たら(以下略)初演ライビュとBlu-ray1回目くらいまでは主に露出度的な意味で動揺してそれどころじゃなかったけど、慣れてくるとめちゃくちゃ格好いい殺陣なんだよなー。

・慰労会は粒あんのたい焼き→鶴丸が山姥切に粒あんの良さを教えようとして逃げられる

・エンディングは、テーマ曲と傘を持ってひとりずつお辞儀していくのは同じで、紋の入った傘を持った黒子が加わっておりました。大好きなところなので大きく変わってなくてよかった!

・カテコのおじいちゃんの剣舞に見とれてたら、続くまんばちゃんの布さばきにも見とれる、宗三はやっぱり娘役お辞儀で、憂い顔を崩さないのが良い。


エンディングでは、こんな力いっぱい拍手したことあったかな?ってくらい全力で大きく手を叩いておりました。
会場入りしてすぐ購入したパンフにはキャストが2人ずつ、計6組に分かれての対談が載ってて、確かに義元左文字の実物は結局ゴツいよねとか、こう言う事を考えて役作りしてるのか、とか、なかなか興味深かった。

で現在は軍議やら日替わりアドリブのレポを日々チェックして(例の馬が出てきたり天の声が響いたりとか進化し過ぎ!)、円盤の発売日いつだったかな…いやまだ予約するって決めたわけじゃないからね?!と誰にしてるんだかわからない謎の言い訳をしながら公式を確認しつつ、粒あんのたい焼きを齧りつつ、もう明後日?で東京公演も終わりかあ…と既に寂しくなりかけておりますが。

来年の大千秋楽はライビュ観劇するので、そちらを楽しみに年を越したいと思います♪

 

 

 

*1:日替わりネタだったみたいですね

【観劇記録】2016/11 ミュージカル「黒執事」 ~NOAH'S ARK CIRCUS~ (生執事)

 

  • 普通にネタバレ有り
  • ほぼ当時のSNS日記からのコピペです

 

2.5次元舞台を初・リアル観劇してきました。

黒執事好きだし、いろいろな意味で一番インパクトのあったサーカス編だし、セバスチャン役は帝劇で何度か見てる古川さんでイメージに合ってそうだし、サイトのビジュアルはどのキャラも良さげだし…行ってみるか!と、チケット入手を決意。

念のため、チケットを同じ日のマチソワで各1枚ずつ申し込んでおいたらどちらも当たったので、多分人生初のマチソワ観劇までして来ちゃったよ。

昼の部が終わった最初の感想としては

「ビジュアルから何から原作通りすぎてびっくりした! 」

役者さんは全員、原作から抜け出てきたみたいで、特にサーカス団のメンバー、中でもジョーカーがそのもの過ぎて、私今何を見ているんだろう、舞台?え?同じ次元に存在する人たちが演じてるなんて嘘でしょ??ってくらい、再現率が高かった。

一番の見どころは、サーカス団の登場シーンかな。ジョーカーの口上から妖しげな音楽をバックにサーカス団のメンバーが登場して、特にピーター・ウェンディのガチのアクロバットと、ダガーの華麗な一輪車技が見事。他のメンバーも、ドールはかわいいお姫さんだし、ジャンボもビーストもかたや二次元まんまのガタイの良さ、かたやお人形のようなスタイルだし、アンサンブルのダンスも息が合ってて、本物のサーカスのようだった。宝塚とか東宝とか、華やかな舞台はそこそこ観ている方だと思うけど、お世辞抜きでどこか闇をはらんだ美しさに魅入られてしまった。

全体に歌の入るタイミングが絶妙。シリアスな曲も、使用人3人組やソーマ&アグニのコミカルで派手派手な歌と踊りも自然に無理なく、お芝居の世界に溶け込んでる。Twitterでも同じようなことをつぶやいている人がいた。構成が良いんだろうな。

古川セバスは、マント捌きやダンスなどなど、身のこなしがすごく軽やかで優雅。段差のあるところに飛び乗るときとか、一瞬体重がなくなったみたいな動きをすることがあって、いっそう人外感が出てた。

シエル役の子って21世紀生まれなのか(!)大人の役者と並んでも全く遜色なかった。サイトでビジュアル見たときは、セバスとシエルは原作のイメージが強すぎて「あー、こんなもんかな」とあまりピンと来ていなかったんだけど、最初から最後までシエルでした。

サーカス団メンバー以外も思った以上にサーカスしてたな。シエルの綱渡りとか、セバスとウィルの空中ブランコ、まさかやると思ってなかった。

ウィルは高枝切り鋏もといデスサイズさばきに重さがあって、セバスとの対比が面白かった。流石は初代江雪兄様(笑)玉乗り(映像使用)とか、パジャマで登場とか、いちいち美味しい。

最初の方にも書いたように、ジョーカーはどこが良かったとかそういうのを通り越して、存在がジョーカーそのものだった。登場時の気のいいお兄さんから、絶望まみれの後半、過去の回想シーンまで完璧。

ドールは「少年のような少女」なのに男の子が演じるの?と意外だったんだけど、イメージぴったりだった。歌がとても良くて、一幕のソロで既にうるっと…後半は、前半の無邪気な姿との対比が痛々しくてガチ涙。

ビーストは想像してたより声が高めで、色っぽい外見とのアンバランスな感じが却って良かった。ジョーカーを止めようとして拒絶されてからセバスに誘惑される一連のくだりが原作のあの場面そのもので、ゾクゾクした。 *1

ダンスや派手なアクションはピーターとウェンディ(繰り出されるアクロバットがかっこいい!)、ダガーが中心っぽかった。ダガーの一輪車はキャラに合ってて違和感なし。

使用人3人組(前半)とソーマ&アグニがひたすらかわいい。特に後者は陰惨な舞台の癒し(歌がちょーーっと…だったけど、かわいいから許す)。ファントムハイヴ家襲撃はどうするのかなと思ってたら、役者さんの演技に加えて照明・効果音も駆使して格好良く仕上がってました。ピーターが逃げまどうところで若干自分から銃弾の雨に向かっていってるように見えたのは…席の位置の関係かな(^^;)

ケルヴィン男爵がまたすごくケルヴィンで。声もアニメ版と似てた気がする。先生は出番は短時間なのに、明らかに人として狂っているところが普通に怖い。どちらも反吐が出そうな悪役、というよりは背筋がぞわっとする気持ち悪さですごく惹きつけられた。

 

スネークはソロがあったものの出番少な目で、コミックスやアニメを知らないと謎の人になっちゃってるかも。多分そうじゃない(?)んだけど、醸し出す雰囲気が人外じみてた。そして人外っぽいと言えば葬儀屋。出てくるだけで周りが寒々しく感じられて、ケルヴィンや先生の怖さとはまた違う不気味さが。

アバーラインとハンクスは舞台オリジナルのポジションなのかな。随所で笑わせてくれる。黒執事は基本的に暗いエピソードが多いからね…。マチネとソワレで違うジャグリングのアドリブが入ってて何気にすごい。


マチネの時は第3バルコニーの端の方で音響が悪く、席の位置関係なのか台詞の響きや演出で少し「ん?」と思う所があり、舞台上でも複数の役者さんが台詞を噛んじゃってたりして、全体の評価は5段階では上から2番目の「満足」というのが正直なところ。

……だったんですが、ソワレは第1バルコニーの真ん中寄りの席で観劇できたこともあり、台詞も演出も違和感がなくて「大満足」に変わりました(台詞を噛む人も覚えてる限りいなかった)。2回観ることにしてよかった。


観る前はどうやって舞台にするんだろう…と少し心配だったけども、終わってみると舞台映えするし、笑えるところも泣けるところもあって、ミュージカルにぴったりのエピソードだな、と素直に思えたのでした。マチネではドールの、ソワレではジョーカーの回想で泣いたよ……。

客席はほぼ女性で、男性は5%もいなかったんじゃ、というくらい。やっぱり20代くらいの人が多いものの、私より上の年齢っぽい人もちらほらいらっしゃったな。*2


てか、過去の自分に言いたい。
何で千秋楽ライビュのチケット取ってないのよ!!!

 

ミュージカル「黒執事」 ~NOAH'S ARK CIRCUS~ (初回仕様限定版) [Blu-ray]

 

*1:私が見たときは、ですが、セバスチャンとビーストに関しては、歌の高音部分でもっと声出てるとよかったかも、という印象がありました。曲自体のキーが高過ぎるのかなぁ……低い~普通のところはとてもきれいに音が取れてたので。

*2:あと、マチソワのどっちかに刀ステの役者さんが2人いらっしゃってたようで……後で知って驚いた。